読書録

シリアル番号 836

書名

深い河

著者

遠藤周作

出版社

講談社

ジャンル

小説

発行日

1993/6/8第1刷
1994/2/22第11刷

購入日

2007/1/12

評価

S.K.にもらう。

遠藤周作の小説は「沈黙」しか読んだことはなかった。それも長崎・島原・天草を旅するに当たっての参考書としてだった。本小説は彼がその後書いた小説である。

ガンジス河のヴァーラーナスィに引き寄せられた人々のそれまでの人生を描写しつつ、なぜここに引き寄せられたかを語る。中村元の本なんか小道具に使っている のでキリストとブッダを織り込んでの人生の意味を探る旅とでもなるのかとおもいつつ読んだ。予想はあたって、マハトマ・ガンジーの「さまざまな宗教があるが、それらはみな同一の地点に集まり通ずる様々な道である。同じ目的地に到達する限り、我々がそれぞれ異なった道をたどろうとうとかまわないではないか」という考えを遠藤は展開したかったようだ。

大勢の登場人物の過去がオムニバス風に語られるが皆ヴァーラーナスィにあつまって大円団を迎える。大津と美津子の二人が主人公で遠藤の分身だろう。

ガンジス河のヴァーラーナスィの対岸がジャングルになっているのは左岸が不浄とされるためであるという。


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