読書録

シリアル番号 611

書名

さようならファインマンさん

著者

パリティー編集委員会

出版社

丸善

ジャンル

伝記

発行日

1990/5/30発行
1990/7/15第3刷

購入日

2003/12/22

評価

鎌倉図書館蔵。量子電気力学の創始者として朝永振一郎と一緒にノーベル賞受賞したジュリアン・シュウィンガー、カルテックの同僚マリー・ゲルマンなど周辺の人が描いたファインマン像。

量子力学はW・ハイゼンベルグとE・シュレーディンガーにより創始されたがP・A・M・ディラックは古典論から量子論を導く正準量子化法を開発した。一方ファインマンは経路積分法を量子化法にして古典論から量子論を導いた。経路積分法の萌芽的な研究を行なったディラックの義兄E.ウィグナーはファインマンをHe is a second Dirac, only this time human.と評したといわれる。ディラックは質問に対し、Yes, No, I don't knowしか言わなかったのに、ファインマンは饒舌でエネルギッシュだったため。

ファインマン自身が言っていることだが、物事に興味を持たせその仕組みを追求してやまない姿勢はニューヨークの制服販売会社の営業部長だった父親が毎日森に散歩につれていって教育したためという。

コネクションマシンへの関与も面白い。セルラオートマトン、量子色力学、進化のシミュレーションシで進化は徐々にするのではなく区分的平衡を示す。フォッカー・プランク方程式、分子進化の中立説で有名な国立遺伝学研究所名誉教授木村資生氏の本などがでてくる。

数式処理システム、Mathematicaを開発したStephen Wolframはファインマンの教え子。

ファインマンに関しての本は「困りますファインマンさん」、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」、「ファインマンさんベストエッセイ」に次ぎこれが4冊目。


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