読書録

シリアル番号 1359

書名

交雑する人類―古代DNAが解き明かす新サピエンス史

著者

デイヴィッド・ライク

出版社

NHK出版

ジャンル

サイエンス 歴史

発行日

1018/7/25第1刷
2018/10/25第2刷

購入日

2018/11/20

評価



友人が『マンモスを再生せよ―ハーヴァード大学遺伝子研究チー ムの挑戦』が面白いと書いて来た。マンモスが絶滅したから温暖化説したというらしいのだ。話しの筋が逆向きなのでは。そもそも温暖化説は地球大気を記述し た微分方程式を積分するわけだから1週間後の天気予報はいざ知らず、何十年の積分は微小誤差が積もって何しているか分からなくなる。実際にカオスになるこ とが数学的に証明されているのだ。散々コンピュータをつかったシミュレーションしてた者のもつ疑惑。気象学者は赤外線から可視光まのスペクトルに関しての 放射伝熱のモデルで天気予報して成功したのでこれを拡大して温暖化を予測したが、太陽からのエネルギーは黒点から放出される太陽風もあり、宇宙からは宇宙 線が降り注いでいて大気上層部を電離させている。大気が電離すると水蒸気が霧になりやすく、可視光を 反射するので黒点が減れば寒冷化する。わけのわからないマスコミの宣伝にのって政治家が気象学者に金をばらまくので彼らはいい気になって欠陥だらけのモデ ルで頓珍漢な御宣託をぶちまくるという構図。特に官僚支配のヨーロッパがひどい。フランスではマクロン大統領が炭素税を導入すると市民の抵抗にあって取り 下げ。とはいえ石炭からガスへの置き換わりは私の予想よりも前倒しだ。そして温暖化防止に役立つと宣伝されたEV車は高価なのでなかなか売れない。そもそ もなぜ自家用車を買うかというと自由が欲しいから。ガソリン満タンで束縛を逃れて自由に羽ばたける。だから送電網と充電装置に長時間結合できる範囲内でし か動けないEV車は嫌われる。そういう意味で、イーロン・マスクとかカルロス・ゴーンは頭が 悪い。ゴーン失脚は法律違反を犯したというより車の本質の理解ができなかったことの結果ではないかと思う。

大分脱線してしまったが、「マンモスを再生せよ」はどんな本かアマゾンを漁ったところ、関連書として「交雑する人類―古代DNAが解き明かす新サピエンス史 単行本」が出てきた次第。

いままで人類はアフリカで進化して7万年前にユーラシアに拡散したというのが定説であった。これは主としてミトコンドリアの遺伝子解析から得られた進化の ツリーから推論したものだが、古代人骨のDNAの配列分析が可能となっていまやユーラシア大陸がその進化の本拠地となったとある。これは知らない新しい情 報なので買って読まねばと横浜に出た時、紀伊国屋で購入。

農業のヨーロッパへの民族移動が農耕の伝播と同時に生じたためとすると現存人類の遺伝子分布は移住の方向に直交するはずだが実際には平行している。このこ とから現代人骨の遺伝子分布からは過去の人類の移動方向は分からないということになる。ポイントは古代骨のDNA}との比較が必用だということ。2010 年に初めて古代骨から取り出したDNA分析データが出始めた。2017年に3,700件発表された。

東アジア人のIQが世界最高ということになっているので遺伝子にもそのような分布があるのか興味あるが東アジアと日本に 関して古代骨の持ち出しを法で禁止しているため、古代骨は全く解析されていないとのことでがっかり。日本はここでも10年の遅れという。古代骨は微生物によって汚染されているので、微生物の遺伝子を分離する作業が必用。

人類はアフリカとユーラシアの間の狭い地域を9-5万年前に通過して移動したため、非アフリカ人の配列DNAのペアが共通の祖先をもつ確率は24%と高くなるがアフリカ人の確率は1%程度だ。

言語を支配する遺伝子FOXP2が共通祖先をもつのは190万年前となる。

西洋人にはヨーロッパで発生したネアンデルタール人の遺伝子は入っているが東アジア人にはないと思っていたのだが、実はネアンデルタール人の遺伝子は東ア ジア人にも入っていてその比率はヨーロッパ人よりも多い。これはネアンデルタール人が10-13万年に北ギリシアで発生し、5万年前にホモサピエンスと交 雑するまえにユーラシア全域に拡散したため。ヨーロッパでは別の交雑による希釈効果があるため、現存のヨーロッパ人に残るネアンデルタール人の遺伝子は東アジアより少ない。

アジアではネアンデルタール人と同じデニソワ人もいたが彼らの遺伝子は日本人にも入っている。

兎に角、交雑の歴史は複雑でいまだ解明の途上にある。

著者はアシュケナージ系ユダヤ人で自身の先祖が16世紀に人口ボトルネックを経験したことも踏まえ話題は豊富。

December 2, 2018
Rev. December 13, 2018

沖縄科学技術大学院大のスバンテ・ペーボ教授らは昨年の11月にネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子のためにヨーロッパ人やインド人はコロナに対して 弱いと理解していました。しかし別のネアンデルタール人の別の遺伝子からみるとヨーロッパ人やインド人はコロナに対して抵抗性があるがアフリカ人はその遺 伝子はうけとっていない。というように日本人がコロナにたいして感染率が低いのは人と人の直接接触を嫌う文化が大きいというのがスバンテ・ペーボ教授の見 解のようだ。

ストーンヘンジを造った人は一旦絶滅している。

オーストロネシア語は台湾地域から拡散している。
March 15, 2021

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