読書録

シリアル番号 1282

書名

地球温暖化論のウソとワナ 史上最悪の科学スキャンダル

著者

伊藤公紀(きみのり)、渡辺正(ただし)

出版社

KKベストセラーズ

ジャンル

環境

発行日

2008/5/10第1刷

購入日

2016/06/18

評価



Lies and Traps in "Global Warming Affairs"

横浜国大教授伊藤公紀と東大教授渡辺正

加畑氏から借りる

●地球温暖化騒動が政治問題に格上げされたのはちょうどダイオキシン騒動で、老朽化した焼却炉が一斉に更新された動きと似ている。

●人為的温暖化説はまず本当に温暖化しているかどうかも不確かであった。たまたまNASAのジェームズ・ハンセンがまとめた過去150年のデータが 1988年に米国議会の公聴会で発表され、コンピュータシミュレーションで99%の確率で二酸化炭素のためだと証言してこれが定着したためである。この気 温は北緯30度での観測データで南半球は別の曲線を描く。また観測データもかなりお粗末な施設で測定されたものであった。

●IPCCは過去1000年間の気温を年輪、サンゴ、氷床から推定したマンのデータを採用した。これをホッケースティック曲線というがかなり信頼性の低いものであった。

●気候変動には二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハロカーボン、六フッ化硫黄、硫酸エアロゾル、スス、雲、熱塩循環、火山の噴火、地球暗化(グローbル・ ディミング)、地球明化(グローバル・ブライトニング)などの放射強制力、植生による反射率(アルベド)の変化、太陽輻射、太陽磁気活動・太陽風・北極振 動、宇宙線と雲、海流の10年振動などが影響していて二酸化炭素だけではない。というわけで単純に二酸化炭素を犯人にしても意味がない。

●氷床コアのデータは気温の変化がさきで二酸化炭素は後。

●ゴア元副大統領の「不都合な真実」は不都合。

●キリマンジャロの雪がきえたのは温暖化のためではなく乾燥化のため雪は昇華で消えた。ヒマラヤの氷河は環境汚染のため藍藻が多量発生。

●ヨーロッパの熱波での死者は空調設備がなかったため。

●ハリケーンの被害は高価な建物が海沿いに増えたため。

●蚊とマラリアの増加は温暖化ではなく蚊の発生を助ける水溜まりがあるかないか。

●発展途上国で森林が減ると乾燥化しピートは自然発火して二酸化炭素が増える。

●バイオ燃料を生産すると農地が増え、二酸化炭素はむしろ増える。

●日本は1970-1980年代にLNGへの転換がすすみ、1990年にはこれ以上二酸化炭素を削減する余地はなかった。しかるに、EUは1990年から ロシアから直送される天然ガスへの転換がすすみ二酸化炭素を削減する余地があった。これが京都プロトコルのヨーロッパの陰謀。日本はお人よしにもこれに 引っかかった。米国はすぐにできないとさとり比準しなかった。エネルギーで他国をけん制するのが隠された目的とみてよい。とてつもない不平等条約である。

●排出権取引は買った国での投資が増えるため、かえって二酸化炭素排出は増える。

●省エネもエコ活動も二酸化炭素を減らさない。

●教育界の環境ブームは似非科学が蔓延し、科学立国ができず、国の将来を危うくする。アメリカインディアンの格言に「子供には魚を与えるな、魚の取り方を教えよ」


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