読書録

シリアル番号 1281

書名

沈みゆく大国 アメリカ

著者

堤未果

出版社

集英社

ジャンル

政治学・地政学・行政学

発行日

2014/11/19第1刷
2014/12/31第4刷

購入日

2016/06/18

評価



集英社新書

友人K氏より借りて読む。

2008年のウォール街の不始末、「リーマンショック」が生じないようにオバマが署名したドット=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(DFWSRCPA)はザル法である。2014年施行のオバマケア(医療保険制度改革法)は穴だらけと判明。

日本の制度は憲法25条(生存権)に基づいて公平平等の基本理念の上に構築、アメリカでは医療はビジネスの商品の一つ。オバマケアの法案をドラフトしたの は全米最大の保険会社ウエルポイントの弁護士だったリズ・フォウラーだ。まず、上院の金融委員会にもぐりこみ、政府からメディケアの薬価交渉権を奪った。 この功績でウエルポウントのロビイング部門副社長になる。ついで単一支払い医療制度(シングルペイヤー)を法案から取り除いた。この功績でジョンソン・・ ジョンソン社の政府担当の重役になった。

高校同期の田島知郎氏が「病院選びの前に知るべきこと 医療崩壊から再生に向けて」、「病院で今、起きていること 患者の危機管理23のノウハウ」、「なぜ病院に「殺される」と言われても誰も反論しないのか?」と3冊の本を書き「病院内で医師同士が相互監視し、切磋琢磨するオープンシステムこそ、医療の質を確実に向上させる」 と主張していて、日本医師会が死守したい国民皆保険→診療報酬は制度的疲労であると理解していたが、この本を読むと米国の市場原理主義に基礎を置く健康保 険制度(オバマケア)は貧乏人には酷なシステムであることがわかる。そして貧富の差は拡大しているのだ。日本もPTTでその方向に向かっていると警告。こ こら辺はトランプ大統領に期待するところ大。


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