読書録
シリアル番号 |
1278 |
書名
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化石燃料の枯渇がもたらす経済成長の終焉
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著者
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久保田宏
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出版社
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2016/6/1第1刷
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ジャンル
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技術
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発行日
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2016/6/1第1刷
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購入日
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2016/06/08
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評価
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優
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久保田宏東工大名誉教授からいただく
化石燃料枯渇にどう備えるかという考察
シェール革命と中国のスローダウンによって石油価格が暴落して、資源枯渇の恐怖は若干減ったが、また50$と上がっている。
たしかにイースター島のように資源の枯渇で滅んだ文明はあるが、ローマ帝国のようにほとんどは内部崩壊だ。人間社会内部の分裂とか見解の齟齬で、システムが崩壊するアレ。
南米やアフリカは資源の宝庫だが南米は失速し、アフリカはテークオフすらしていないし今後も絶望的だ。日本も一時期勢力を誇ったが今、内部崩壊しつつある。
キグリー(Carrol Quigley)はThe Evolution of
Civilizationで「文明は拡大するための道具を備えているから成長する。軍事、宗教、政治の組織が余剰を蓄積し、それを生産的な革新に投資する
からである。文明が衰退するときには、新しい方法に余剰分をあてなくなる。余剰を管理している社会集団が既得権益を持って、余剰の使途を非生産的で利己的
なものにあてるからである。人々が自分の資本を食いつぶしていくうちに、文明は世界国家の段階から衰退の段階へと移行してゆく。衰退はやがて侵略期につな
がり、野蛮な侵略者に無防備な姿をさらけだす。侵略者はしばしばより若く、より強力な別の文明からやってくる。」といっている。