読書録

シリアル番号 1263

書名

原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島

著者

広瀬 隆

出版社

ダイヤモンド社

ジャンル

技術

発行日

2010/8/26第1刷
2011/4/5第3刷

購入日

2016/01/27

評価



友人のK氏からいただく。これは福島を予言した書としての歴史的価値ある本でありがたくいただく。

著者は元々メーカーの技術者。他の本に忙しく、1月程積んであった。ようやく時間ができたので、拾い読みしたところ、知らないこともあったのでここに拾い上げてみる。

@2010/6/17福島第一2号炉が電源喪失事故でメルトダウン寸前に至った。外部からの電気系統が4本ともダウンした。原因は解明されていない。南アフリカのワールドカップで報道されなかった。

A2009年のM6.5の駿河湾地震で浜岡5号機の制御棒30/250の駆動装置が故障した。

B沸騰水型では地震動で気泡が抜けるとボイドが減って中性子の減速がふえ核暴走の可能性が否定できない。

C浜岡の海水取水トンネルが地震で断層線にそって崩壊またが陥没で詰まることがありうる。

D青森県の再処理工場の廃液ガラス固化装置にフランスで採用された電磁加熱を捨てて、通電方式のジュール加熱を採用したため、白金を溶解できず、2008年以降動いていない。このため、240m3の液体状の高レベル廃液が2016年になるまで8年間溜まったままになっている。これが漏れればハンフォードよりひどい地質汚染となる。高レベルの放射線により、水が分解して水素ガスが発生してはなはだ危険。そして六ケ所村には断層が走っているのだ。

このような無責任な国ではいかなる新型炉も認めるわけにはゆかないだろう。ノルウェーとは全く異なる国なのだ。そもそも無責任官僚はこれらの問題にまじめ に取り組み責任感もなく、ただ年金開始時を待ちながら天下り先を探し、政治家は電力業界の献金に目がくらんでなにもせず、権力とぐるになったマスコミがだ んまりを決め込む国では、その資格もない。権力とぐるになったマスコミの実名をあげると1月21日に読売新聞の渡辺主筆の部屋で安倍首相と会食した人がそ の代表だろう。朝日に掲載された名前は橋本五郎読売新聞特別編集委員、今井環NHKエンタープライズ社長、清原産経新聞相談役、ジャーナリストの後藤謙 次、芦川洋一日経論説委員、評論家屋山太郎の面々だ。これらの新聞を購読している人は麻薬を与えられていることを疑わねばならない。甘利大臣の首をとった ところでホンの氷山の一角だ。


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