読書録

シリアル番号 1213

書名

戦争の経済学

著者

ポール・ポースト

出版社

バジリコ株式会社

ジャンル

経済学

発行日

2007/11/11初版1刷

購入日

2014/11/09

評価



原題:The Economics of War by Paul Poast

翻訳:山形浩生

鎌倉図書館蔵

「戦争は兵器の問題というよりは支出の問題なのであり、その支出を通じてこそ兵器は使い物になるのだ」ツキジデス。

「お金こそ戦争の筋肉である」タキトウス

「戦争は(自国の領土で戦わなければ)経済を活性化させるか?」第一次大戦からイラク戦争まで、収支をマクロ・ミクロ経済学をつかって分析すると「20世紀初頭まではペイしたが、その後ペイしなくなったという結論」

理由1:恒常的に軍事産業が存在するため、戦争が起きても昔ほどの多量動員が生じないし、政府支出も劇的には増えない。第一次大戦の前にはアメリカ政府は戦争の時しか軍事支出をしなかった。
理由2:現代の戦争の性質は核兵器の登場で先進国同志の戦争はありえなくなった。また貿易や資金流を通じた経済的相互依存の高まりでアメリカと中国の戦争すらあり得ない。したがって戦争は発展途上国の内戦とテロ対策、大量破壊兵器拡散防止など限定的なものに変質した。

マクロ経済の関係式

Y = C + I + G + (X - M)

ここで

Y:国の所得 GDP
C:消費
I:新規投資
G:政府支出
X:輸出
M:輸入
(X-M):純輸出

交換方程式

M x V = P x Y

M:マネーサプライ
V:貨幣速度(金が年に何回使われるか)
P:価格
戦争になるとMが増えるのでPが上がる。すなわちインフレとなる。


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