読書録

シリアル番号 1179

書名

ヴェネツィアと水 環境と人間の歴史

著者

ピエロ・ベィラックワ

出版社

岩波書店

ジャンル

歴史

発行日

2008/8/28第1刷

購入日

2014/01/31

評価



Vanezia le Acque   Una metadora planetaria by Piero Bevilaqua 1995

鎌倉図書館蔵

ベニスが水没の危機にあるが、その長い歴史ではラグーナが河川の土砂で埋まり、陸地化する危機のほうがおおきかった。そのため、河川を付け替えて、ラグーナに土砂が流れ込まないようにした。

井戸の塩水が入らないように管理することも必要だった。

収入の一つ塩田の管理も大切であった。

土留め柵、建物の基礎、船の建造、薪のために森林は貴重で官営林を持っていた。

一体的な指導が長期間持続されることは大事業を遂行する上で不可欠であるが、民主主義の寛容さは不適格者の発言の自由も保護している。ただし、無能な民主 主義は大きな事業が失敗に終わらないように手をつくしてはくれない。それは駄弁や細分化された個別的利害が弄ぶ死のゲームから、事業を救い出すことができ ないからである。

そういう問題はさておき、地球温暖化による海面上昇はいかんともしがたい事態でベネツィアでは解決不能である。


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