読書録

シリアル番号 1138

書名

「東京電力」研究 排除の系譜

著者

斉藤貴男

出版社

講談社

ジャンル

政治

発行日

2012/5/30第1刷

購入日

2013/03/18

評価



講談社が4月21日発行G2(ジーツー)第13号内記事「インフラ輸出とカントリーリスク」につき取材したいとライターの斉藤貴男氏がやってきて2時間程取材を受けた。そのとき著者よりもらったもの。

10pに福島事故時に勝俣恒久会長は石原萌記主催の第10回愛華訪中団に参加して北京にいたとある。石原萠記とは社会党右派のイデオローグである。

その参加者リスト中に月刊willの編集長、花田紀凱氏の名前があった。どうりでwillは原発推進派の論文が多い。無論懐疑派の論文も少し混ぜてある が。「原発敗戦」出版で花田氏に興味を持たれ、先日3時間ヒアリングされた。これで私がライターとして使えるか値踏みしたのであろう。原子力支持に関し ては利用できないとあきらめたはずだ。核武装なき核抑止力理論に関しては興味を持ってくれたようだ。

我がABC戦犯リストなるものはメディアに出た悪名を忘れないように記録し他ものだが不思議と勝俣恒久の名前がでてこない。これもメディアが石原萠記の影響下にあるためなのか興味深い。

以下、東電をめぐる右派、左派の政治的攻防が延々と記録されてゆく。これは殆ど資料編である。

平岩外四は読書家ということでメディアの評判はよろしいが、経営者としては凡庸であったという指摘はうなずける。

最後に東電と政府の無責任さ戦争被害と同じ受容論は裁判で決着をつけなければならないが世論のバックアップなしにそれは不可能と結んでいる。私はマスコミがそのような環境が作れるかどうか、かなり危機感を持っている。


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