読書録

シリアル番号 081

書名

ロスチャイルド王国

著者

フレデリック・モートン

出版社

新潮社

ジャンル

ビジネス

発行日

1975/10/30初版
1975/12/203刷

購入日

1975/12/30

評価

ナポレオンからヒトラーまでヨーロッパ金融界に君臨した壮麗なるユダヤ人一族の物語。

ロスチャイルド王国の初代Mayer Amschel Rothschild(1743-1818)は大勢の子をもった。それぞれをヨーロッパに主要都市に配置して情報を共有して銀行業を成功させた。

ユダヤ人は姓を持つことを禁じられていたため、住んでいた家の屋号で呼ばれた。ロスチャイルドは英語読みでドイツ語ではロートシルトという。これは「赤い楯」という意味だ。

Nathanがロンドン

Amschelがフランクフルト

Salomonがウィーン

Carlがナポリ

Jamesがパリ

ロンドンとパリが今も残る。

ワデスドン・マナーの主はパリ・ロスチャイルド家の3代目

ロスチャイルドが世界の金融を牛耳っていると言う説は本当か?

1815年、ロスチャイルド家はイングランド銀行を支配下に置き、英国の通貨発行権と管理権を手中に収めた。

1913年には米国に連邦準備制度(FRB)を設立し、米国の通貨発行権と管理権を手中に収めている。

21世紀初頭、ロスチャイルド家が中央銀行の所有権を持っていない国は、全世界でアフガニスタン、イラク、イラン、北朝鮮、スーダン、キューバ、リビアの 七ヵ国だけでした。その後、アフガニスタンそしてイラクに対する米国の侵攻により、現在では残り僅か五ヵ国のみになっている。

ニューヨーク連邦準備銀行の株を所有するこれらの銀行の株主は;
ロスチャイルド銀行・ロンドン
ロスチャイルド銀行・ベルリン
ラザール・フレール・パリ
イスラエル・モーゼス・シフ銀行・イタリア
ウォーバーグ銀行・アムステルダム
ウォーバーグ銀行・ハンブルク
リーマン・ブラザーズ・ニューヨーク
クーン・ローブ銀行・ニューヨーク
ゴールドマン・サックス・ニューヨーク
チェース・マンハッタン銀行・ニューヨーク

ニューヨーク連邦準備銀行は、欧米の銀行が株の100%を保有していて、米国政府は1株も保有していない。上記の中でチェース・マンハッタン銀行が米国の ロックフェラー系だが、他はすべてがロスチャイルド系の金融機関だ。要するに、実質的にロスチャイルド一族が米国の中央銀行を支配しているということにな る。

ちなみに、現在のニューヨーク連邦準備銀行は、J・P・モルガン・チェースとシティ・バンクの二行だけで53%近くの株を所有する。つまり、ロスチャイルド・モルガン・ロックフェラーという世界最強の財閥連合が相も変わらずFRBを支配している。

1877年、のちに内閣総理大臣となる松方正義が渡欧してフランス蔵相レオン・セーと会談した。この会談で、レオン・セーは「日本も中央銀行を持つべきで ある」と勧め、1882年に日本銀行が設立された。このレオン・セーは、四代目当主アルフォンス・ド・ロスチャイルドの複数の企業で重役を務める“ロス チャイルド家の使用人”であった。

そこで調べた。

現在の日銀の資本金は1億円で、そのうち政府が55 % の5500万円を出資し、残り45%にあたる約4500万円を政府以外の者が出資する。このなかにロスチャイルドがいたとしても経営権もなにもない。

三井財閥の大番頭として第一国立銀行(現みずほ銀行)の頭取に就任し、以降、多くの地方銀行設立、東京ガス、日本郵船、東京海上保険、王子製紙、東洋紡、 サッポロビール、帝国ホテル、石川島播磨重工業、東京証券取引所、秩父セメント、等々、500以上の企業の設立に関わり“日本資本主義の父”と呼ばれた渋 沢栄一が、銀行業を学んだフリュリ・エラールもアルフォンス・ド・ロスチャイルドの使用人だった。

1882年、伊藤博文らは明治憲法を作るために再びイギリスにわたった。そのときロスチャイルドからユダヤ人憲法学者ルドルフ・フォン・グナイストとロレ ンツ・フォン・シュタインを紹介されている。こうしてグナイストらに学び、作られたのが明治憲法、そして近代日本というわけ。

はそうだし、日露戦争の費用も融資してくれたのは事実だが、そこまで。

'80年代のミッテラン時代の国有化政策で、仏ロスチャイルド系の企業の少なからずが国有化されロスチャイルド家の手を離れて居る。

インターネットが普及した今の世の中では、ロスチャイルド家でもロックフェラー家でも世界を抑え切れ無いのが実情。尚、冷戦期の西側指導者クラブだったビルダーバーグ・ソサエティーには、ロスチャイルド家の関係者は入っていない。

Rev. February 18, 2018


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