シリアル番号 | 031 |
書名 |
男の肖像 |
著者 |
塩野七生 |
出版社 |
文芸春秋 |
ジャンル |
随筆 |
発行日 |
1986/12/25第1刷 1989/5/30第5刷 |
購入日 |
1990/06/30 |
評価 |
優 |
ペリクレス、アレクサンダー大王、大カトー、ユリウス・カエサル、北条時宗、織田信長、千利休、西郷隆盛、ナポレオン、フランツ・ヨゼフ一世、毛沢東、 コシモ・デ・メディチ、マーカス・アグリッパ、チャーチルの軽妙なる評伝。
ペリクレスの死後、アテネの衆愚政治はじまる。同時代の歴史家ツキディデスに「名目は民主政だが、事実はただ一人の支配する国」といわせた。塩野は「民主政治とは、優れた能力をもつ人々がその他多数をリードする制度。衆愚政治とはその他多数が行う制度」かと。
マーカス・アグリッパはユリウス・カエサルに見出され、アウグストウスの補佐役に任命されたのだが、能力はあるにもかかわらずユリウス・カエサル亡き後もナンバー2としてよくアウグストウスを支えた人物である 。ちょうど直江兼継のような人物だ。本人の性格がそうだったとしかいえないが、アウグストウスにも何かがあったらしい。
千利休と秀吉との関係を見事に紐解いてみせてくれる。
フランツ・ヨーゼフ一世については現在の中央ヨーロッパのパッとしない事情を明快に説明してくれる。
November 22, 2009