リニア新幹線

日米地位協定が強制するリニア新幹線

TV朝日の番組で、鎌倉、横田基地、草津温泉上空にかけ7,000mの疑似ヒマラヤ山脈が聳えている立体地図を見た。米軍管制域が敢然と聳えているわけ だ。歴代政府はこの敗戦の遺物を整理することなく、所与のものとみなして高価な燃料代を支払うことを強いてきたのだ。省エネして地球温暖化防止するなら、 まずここから着手 しなければいけない。この仮想山脈をみて、地下トンネルの中を新幹線の3倍の電力を消費しつつ空気を圧縮しながら走るリニア新幹線がなぜ建設されるの か判然とわかった。

もし日米地位協定を同じ敗戦国の西ドイツやイタリアと同様に改定して主権を取り戻していたら、この疑似ヒマラヤ山脈は消えて無くなり、東京大阪間のフライトは30分短くなる。逆に言えば地位協定を改定すれば、リニア新幹線は完全に採算に乗らなくなる。

ところが日本の政治家と官僚は日米地位協定は学校秀才がよくやるように解きやすい問題から手をつけ、解けなかった問題は先送りして忘れるということを繰り 返してきた。そして国民には内緒にしているからリニア新幹線が魅力的に見えたのだと気が付いた。これは一種の詐欺行為。それも国家レベルで国民を欺いてい る。こうして日本はますます高コスト体質になり、国際競争に脱落する。

日本の航空会社がこの疑似ヒマラヤリニア山脈を越えるために浪費するジェット燃料とリニア新幹線が浪費する余計な電力のための輸入化石燃料費と増える防衛費と比べればどちらが大きいか試算してみればよい。

トランプは自動車の関税とおなじく、日米経済交渉にこの地位協定をからめてくるだろうと予測される。文部省が初心な国民を洗脳して頭の中を空っぽにしてい るから、安保改定をした男の孫を首相にして9年も国をまかせて疑問も持たない。彼らが気が付いても時すでに遅し、前門のトラ後門の狼としてハイパーループ という真空チューブを使うシステムが世界で普及するかもしれない。いずれにせよ、同じトンネルのなかで空気を圧縮して走るリニア新幹線は雪隠詰となるかもしれない。



ハルバッハ配列も採用していない時代遅れの磁気浮上

2018/10のサウジアラビアによるカショギの暗殺の余波がサウジからの膨大な投資を任された孫氏を襲うかとおもっていたら、意外にもリチャード・ブラ ンソンがヴァージン・ハイパーループ・ワンの会長職を辞任した。表向きはサウジからの投資をカショギの暗殺を不快に思ったリチャード・ブランソンが断った のでサウジが手を引いたことに伴う辞任となっているが、私は本当の理由はブランソンがこの方策を捨てたためという感じをもった。

ハイパーループは当初減圧(100Pa)チューブ内の空気を車両前面に搭載したファンで吸い込み、底面から圧縮排出して車体を浮上させるというイーロン・ マスクのアイディアで始まったが、空気密度が低すぎて当初の空気浮上、空気推進は上手くゆかず、動力消費量も多くてバッテリーでは力不足。結局、空気浮上 代わりにネオジムなどを使う永久磁石を磁力線分布が非対称になるようにハルバッハ配列にするローレンス・リバモア国立研究所のリチャード・ポスト博士によ り開発されたインダクトラック方式を排他的権利付で採用。

推進法はリニア・モーター方式になりそうで日本のコストばかりかかるリニア新幹線と大差ないものになったことに嫌気をさしてサウジスキャンダルをうまく利 用して逃げたのではというのが私の疑惑だ。ところで日本のリニアはヘリウム冷却の超伝導電磁石をNS配列しただけという19世紀の遺物でハイパーループに コスト的に負けている。ブランソンのビジネスセンスは研ぎ澄まされている。

リニア新幹線は常圧の空気中を新幹線の2倍の速度で走るため推進力はその二乗の4倍の力が必要となり、電力消費も4倍となる。おまけに磁気浮上のために熱損失分だけヘリウム冷凍機をうごかしておかねばならない。

JR東海の地元では駅を持てない静岡県が大井川の水利権を主張して南アルプス横断トンエルの工事許可をださなため工事の遅れも懸念されている。ここにも JR東海のビジネスセンスの欠如が垣間見える。水利権は方便としても南アルプスルートは中央構造線も横断している。トンエルを掘削することで溜まった歪が 解放されるかも知れないし、難工事で工事が遅延するかもしれば仮に完成しても地殻変動でトンエルが崩壊するかもしれない。

October 9, 2018
Rev. October 25, 2018


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