日本の政治・経済の不調の原因

知優先社会は暗黙知を失い国は亡ぶ

追補ー13 うそを押し通す社会、うそをうそと知って受容する社会

ケルン在住の望月氏から「バルト3国の一つ、リトアニ アで10月14日、日立製作所が事実上受注した「ビサギナス原発」の建設の是非を問う国民投票が議会選と同時に行われた。中央選管によると、15日朝まで の開票で建設反対票が62.7%に達し、建設賛成の33.96%を上回った。暫定投票率は同日朝の発表時点で51.91%と、投票成立に必要な50%を超 えており、中央選管幹部は地元通信社に「国民投票は成立した」と述べた。巨額の建設費が財政に重荷とみる国民が多い上、東京電力福島第1原発事故を受け、 安全性への懸念が高まったことが反対派優勢の背景にある」と教えてもらった。そして「日立はBWRを今年3月に受注したそうですが、この国民投票の結果に よって受注取り消しですね。しかし、私が首を傾げるのは、日立は安全なBWRを納入する自信があったのでしょうか。なぜPWRではなくて、BWRなのです か?」と聞かれた。

私は最新のBWRも燃料交換は格納容器上部蓋経由ですので基本的になにも改良されていないと指摘。 森永先生はBWRの欠点は導入当時から分かっていて森永先生の嵯峨恩師野先生(長岡半太郎の息子)はBWRを選んでおきながら 途中で心変わりしたために原研の所長の首を切られた。弟子として東電の顧問室にいた「じいさん」こと橋本清之助という浪人タイプの政府フィクサーの ところに直接抗議に行ったことがある。橋本清之助は後藤隆之助、古野伊之助とともに「三ノスケ」と呼ばれる。しかし、じいさんは「前言を翻すなど政治の世界で はしてはいけないことだ」と取り合わなかったという。そして首切りの表向きの理由は原研の赤化を防止できなかったこととした。というわけで日本では人民にいやなものを有無を言わさず押し付けるためにウソがまかり通る出鱈目な国 だということがわかる。表向きは米国に忠実するのがお国のためとか、中国を抑えうための核の傘が必要などという。そうしてどうしようもないGEのBWRをコリもせず世 界に売り歩くという愚かな行為を継続していることになる。親米は政治家、役人が作った神話にすぎない。当時の米政府はウェスチングハウスが海軍で潤っていたから日本 はGEのBWRを買ってくれということだったのだが、今の米国は肝心のGEが原発はあきらめているわけだから、別に忠義立てする必要はないわけ。それで も電力メーカーや政府は自分の権益をまもるためにありもしない米国の意思などをにおわせるのだろう。これが私がいう文系の指導層が日本をだめにするとい う一つの例だ。こういう文系指導層の下にいる理系は嵯峨根先生のような立派な方が左遷されるのを見ているから、全員腑抜けになってしまっているわけ。リトア ニアの人々は賢いがベトナムはアジアだから、ウソがまかり通るのではないか?これは文化的な深いわけがあるとおもう。アジアでは神がいませんか ら相対主義で真理はどうでもいいということ。したがってだましのテクニックが大切。これは人民の民度がひくいというか「騙されるのは向うが悪いのだからい いか。おれは騙されていないよ」と許すところがある。 米国に従順なふりをした日本政府はその後もずっとBWRを支持し続けた。今後も米国に逆らうことは日本ではタブーとするだろうか。

建設が中断していた大間原発はBWRだ、何の事故対策もせず建設継続を表明した電源開発、それを容認した政府もあきれる。規制委員会がどういう判断をするか興味がある。ほとんど完成している鳥取原発もBWRだし、かろうじてとめた上関原発もBWRだ。


  October 16, 2012

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