グローバリゼーションの明暗

グローバリゼーションは世界の経済を活性化させて東南アジアや中国の経済発展の原動力となって大方プラスの評価を得ている。しかし明の影に暗がある。グローバリゼーションにより種の多様性が失われただけでなく、代金決済のために武器が使われたために悲惨なことが発生したという実話を映画『ダーウィンの悪夢』が描いているという。

1960年代にアフリカのビクトリア湖 に試験的にナイル・パーチという外来種を放魚したところ在来種が完璧に駆逐されてナイル・パーチだけの湖になってしまった。生物の多様性の喪失が発生したのだ。しかしこの魚はヨーロッパで高級魚とされたために地元民の口に入らずほとんど全量航空機でヨーロッパに輸出された。結果として地元民は飢餓の縁をさまようことになった。空輸はロシア製のイリューシン機なのだが、帰りの貨物は代金代わりのロシア製の武器であったそうだ。

そしてこの武器は何に使われたかというと1997年のコンゴ内戦と人口増加の圧力下で発生した1994年のルワンダとブルンジにおけるフツ族によるツチ族の大量虐殺である。この悲劇はジャレッド・ダイアモンドの「文明崩壊 上下」に詳しく分析されている。

July 18, 2006


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