テレビ出演での葛藤

占い師として、テレビにでる機会がありテレビの世界というものを、見ている側の時とは違う感覚を、映される側に立った時に知りました。
手品のトリックを見たような、夢をこわされたような虚しさを覚えたと言うのが本音の気持と言えます・・・

鎌倉の海水浴場での撮影では、何処に金目のものがあるかを占いで探すことをしました。
占いを当てることが目的のわたしは真剣に占ないましたが、私の占いに出た答えはすでにテレビ局側で面白い物を埋めてあると出ました、
さらにその物は、すでに掘り起こされた後で、もう無いが、その場所を示す答えを得ることが出来ました。

結果はそのとおりで、スタッフの方はびっくりしてくださいましたが、バラエティ番組で視聴者を楽しませるのが目的ですから、笑える所だけを放送しました。番組の最初のほうで、金属探知機で、その物を掘り起こしている場面が映っていました、テレビで見ていますと、自然な成り行きで見つけて掘り起こしたかのようにみえましたが、大掛かりな方法で、30分近くも砂を掘って結果は何も出ませんでしたでは、番組としても面白くないので、このように演出をするのでしょう・・・

番組制作者の立場では、其れはしかたのないことと思いました。わたしの立場としては、局側が、そこにあらかじめ埋めておいて、さらに掘り起こした後であるという事を、いい当てていたわけですから、其れを視聴者にみていただきたかったですが、それでは、面白い番組になることができないので、わたしには残念な結果でした。
面白い番組を作るには、それなりの状況を作ることが大切でしょう、しかし、それが、真実だけを伝えたいと思う側には、テレビではむづかしいことなのです、仕方のないこととは言え、残念におもいました。

占い師として登場しながら、占いの言葉をこう言ってくださいと、局側から言われた事もありました。これでは占いではないです。
 芸人を10人ほど用意して、すでにこの中の誰々を追いかけてビデオをつくってありますので、この人物を占いで、一番運が悪いといってくださいというのです。
こだわり屋の私としては、うらないの答えにそう出ていなければ、言えませんともうしまして、本気で誰が一番その中で運が悪いかと占いました。
局側が指定した人物に関しての私の占いの答えは、『この人物は事務所からも可愛がられて、仕事をたくさんもらっているし、ダメな自分の性格を利用して、これだけ稼げるのだから、この人物は運がいいと出ました』・・・わたしの言葉は当然放送されず、石井さんの占いも、やっぱり、彼を運が悪いとでました!とナレーターのコメントとなっていました。

言われた芸人さんは、本人にも裏のからくりは伝えられていないような・・・、『何で? 何で僕ばっかりなのだろう?』と言いキョトンとした瞳でした。
バラエティ番組とわかった上で、テレビに出ることは、あくまで視聴者を楽しませる事が目的であって出る側の意思は関係がないとわかったのです。

テレビ番組の作成の仕方がかなり演出していることを、少しテレビに関わっただけで見えてきますと、早稲田大学の大槻教授が、テレビで種も仕掛けもない状況と思われる中で超能力を披露する人を疑っていましたが、テレビの世界の演出を知っている人にとっては、疑うのは仕方がないと思いました・・・
神秘を検証するような番組を、ちゃんとした研究者が見守る中で、自分の占いをする事ができたらいいなぁ〜〜と、思っているのですが・・・・