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●「ウオーキング」 基礎編
95/06/03 東京夕刊 一面 01段
[よみうり寸評]歩くことの効用  

 運動生理学の研究者、山本正嘉さん(37)は、よく歩く。このところ、足取りが一段と軽い◆ヒマラヤの八〇〇〇メートル峰・チョーオユーに登って帰国したばかりで、成功が弾みになっている。シェルパも含めたった三人の登山隊は、珍しく手づくりの趣がある◆高所登山はどんな影響を与えるか。自らを実験台にした無酸素登山には、学術的な狙いもあった。成果はこれからの研究次第だが、ふだんは歩くことの効用を説く◆ウオーキングは、心臓病などに効果があるといわれる。他の運動に比べ、体の負担や故障も少ない。で、静かだが、ブームといってよい現象が見られる◆週末も、それぞれのウオーキングを楽しむ人が多いだろう。考えながらもよし、頭の中を空っぽにするにもよし……。山本さんは「ストレスの解消もブームの一因では」という◆さしずめ、〈苦渋の選択〉でお疲れの青島さんには打ってつけの気がする。リフレッシュして山積する課題に取り組んでもらいたいところだが、東京都知事の身では、それもままならない、か。


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