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: 　高瀬川一之舟入の南側から御池通りまでの、河原町通りから木屋町通りに至る一帯は、江戸時代初期に長州藩（山口県）毛利氏の藩邸が置かれた所で幕末維新期の重要な政治的拠点となった。
　藩邸は初め南北二カ所に分かれ北側屋敷は表口39間（約70ｍ）、奥行31間（約56ｍ）、南側屋敷は表口30間（約54ｍ）奥行8間（約14ｍ）に及んだ。
　元治元年（1864）の蛤御門の変（禁門の変）で、会津、薩摩を中心とする朝廷、幕府側に敗れた長州藩は、自らこの邸内に火を放ち、京都を逃れたが、邸内の放火はたちまち市中に延焼し、数日間にわたって燃え続けたという。
　明治維新後、この藩邸跡は官有となり明治初年には府下産業の振興を図るため、勧業場が設立され、後に常盤ホテル（京都ホテルの前身）が建てられた。