平安宮内裏承明門跡

(上京区下立売通り浄福寺西入る)地図へ

 この付近から北側一帯は平安宮内裏址である。この場所で発掘調査を行い河原石と凝灰岩を用いる巾0.8mの東西溝を発見した。この溝を境にして北方には白砂の整地が全面に認められたが、南方には認められなかった。
 この北側に9世紀中ごろから11世紀末までの4基の地鎮めの跡を発見した。このうち11世紀中ごろの地鎮めの跡では輪法と土師器皿数枚が据え置かれ壷が横倒しの状態で発見された。輪法の中央にはケツが打ち込まれた状態でありさらに輪法の上にはガラス片、金粉、銀小坂、琥珀片など当時の宝物が遺存していた。
 これらの地鎮祭は天皇の新居入宅の際行われたもので輪法、ケツを出土したものは「安鎮址」と見られ、天台密教の儀式によって執り行われたことを示している。
 同時に出土した土器及び文献から延久3年(1071)後三条天皇遷御のときのものと考えられる同じ文献の地鎮めの地点の記述によって発見した、東西溝は内裏の南正面に開く承明門の内側溝と確定できた。溝はこの建物のしたに現状のまま保存されている。


関連サイト
「官制大観」




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