マヤの創世神話  古代人の宇宙観(メキシコ)
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●大地と動物の創造
 「ツアコル」と「ビトル」又は「テペウ」と「グラマック」という二人の創造主がおりました。 彼らは最初に大地を呼び出して山・谷・川を作り、そして動物や鳥を作りました。

●人間の創造
 今度は創造主を養ってくれる人間を造ろうとしました。最初は土から造りましたが、 柔らかい上に水に解けてしまいます。歩けないし子供を産むこともできません。 これではだめだと破壊してしまいました。

 二回目は木で人間を造りました。前と違い子供を産むことも出来き、 言葉を話したのですが魂がありませんでした。魂がないので神に感謝しませんでした。 これではだめだと大水で破壊されてしまいました。

 三回目は、男は豆・女はい草で造りましたが、神と話すこともできない上に考えることが出来ない ので破壊されました。このときの生き残りが猿なのです。

 第四回目は白と黄色のトウモロコシで造られましたが、神と同じになってしまいました。 人間が神と同じ能力なのはいけないので破壊されました。 このように人間は4度造られ4度破壊されたのです。

●太陽・月・星
 第4の破壊からしばらく後に、双子の神「ファンプー」と「イシュパランケー」が様々な悪と闘い、 地下の闇の国「シバルバー」での試練と冒険を終えて、 二人は光に包まれて天に昇っていき1人は太陽に、もう1人は月となり、 天地に明かりがもたらされました。

 双子の神に倒された「光り輝くヴクブ・カキシュ」の手にかかり命を落とした 400人の若者も星に姿を変えました。

●五度目の人間の創造
 再び「ツアコル」と「ビトル」により人間創造が始まります。 ジャガーとコヨーテとオウムとカラスから人間が造られました。 その人間は身動き1つしないであらゆることを知ることが出来ました。 神は人間の野心や驕慢を恐れ、その目に霧を吹きかけて曇らせました。 これにより獣にはない知性があるけれども、ものを見る能力が劣る今の人間ができました。

maya  そうして、マヤの人々は5度目の破壊を恐れたのです。 その日を知ろうと天文が発達し三種の暦が造られ、その日が来ないように儀式が行われたのです。

○参考引用文献
 スペインがマヤに侵攻した際に、文書が焼かれたため原典が残っていないことと、 マヤ文字が全て解読されていないことから神話については殆ど資料が残っていないようです。 今回は下記黒丸の2冊の本で話に食い違いがあるので、 或る程度整合性があるように2冊から項目を抜き出しました。正確にはそちらの本を参照してください。

●マヤ文明の謎○青木晴男著○講談社学術文庫757
●世界の神話伝説○自由国民社
○太陽と月の神殿○増田義郎著○中公文庫ま43
○マヤとアステカ○吉野三郎著○社会思想社


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