二十四気 

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 二十四気とは

季節区分


●二十四気とは
 中国から渡来した季節区分で、太陽の黄道上の位置を24に分割(各15日)した ものを言いまして、「二十四気」又は「二十四節気」若しくは単に「節気」と呼ばれております。 太陰太陽暦は閏月(13月)などにより10〜20日位のずれが生じてしまい、 農耕には少し不適格なので「二十四気」が使われたのですね。

二十四気は中国・黄河の中・下流域での季節区分なので日本では少し季節感が合わない面もあります。 また日本では極寒と感じる時を、 中国ではこれ以上寒くならないので、春が来たと考える差があります。。

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 毎年日付が異なるのは、角度で計算しているからでもあるのですね。
1999年の二十四気の日付と黄経の位置

.名称日時黄経の位置 .名称日時黄経の位置
1立春02月04日15:57315度 13立秋08月08日08:14135度
2雨水02月19日11:47330度 14処暑08月23日22:51150度
3啓蟄03月06日09:58345度 15白露09月08日11:10165度
4春分03月21日10:460度 16秋分09月23日20:31180度
5清明04月05日14:4515度 17寒露10月09日02:48195度
6穀雨04月20日21:4630度 18霜降10月24日05:52210度
7立夏05月06日08:0145度 19立冬11月08日05:58225度
8小満05月21日20:5260度 20小雪11月23日03:25240度
9芒種06月06日12:0975度 21大雪12月07日22:47225度
10夏至06月22日04:4990度 22冬至12月22日16:44270度
11小暑07月07日22:25105度 23小寒01月06日04:17285度
12大暑07月23日15:44120度 24大寒01月20日21:37300度

黄道と赤道の交点が春分点・秋分点 黄道と赤道
●黄道
 まず黄道と赤道は〜、う〜ん。正確さはかなり度外視してやさしくいきますね(^^)/

 あなたは透明な地球の真ん中にいるとします。 その地球は自転していないのですね。そしてその透明な地球を透してみた 太陽の位置を地球の殻に黄色い印を付けていきます。 そうして1年印を付けたあとが「黄道」です。 太陽の周りを回っている地球から、1年間太陽を見るとグル〜ト一周しますでしょ。


●赤道
地球は傾いて回転していますね。その地軸の真ん中で軸に垂直に赤いペンを持って、 地球の殻に線を引きます。それが赤道ですね。世界地図を見ると赤い線が引っ張って あるものですね。
●交点
さてさて、上記の「黄道の円」と「赤道の円」が重なる点が2個所あります。 これが春分点と秋分点になります。 実際は章動・惑星歳差などにより黄道面から太陽はずれますし、長年加速・歳差運動によって 春分点と秋分点は僅かに移動します。

この春分点を黄経0度にして、黄道を東回りに360度を付したのですね。

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二十四気

手紙に書く季節の挨拶や俳句の季語は二十四節気の日付を元にしています。

立春〜穀雨

立夏〜大暑

立秋〜霜降

立冬〜大寒


立春〜穀雨

立春・りっしゅん(正月節)2月4日ごろ
前漢の時代には年初は「冬至」であるとされておりました。 この日から昼が長くなる様に変化するからなのですね。 しかし後漢のころになりますと「光の春」ではなく「気温の春」である「立春」が 現在旧暦と言われている太陰太陽暦の年初とされるようになりました。
立春は「雑節・八十八夜・土用・二百十日」などの起算の日となっております。
雨水・うすい(正月中)2月19日ごろ
雪がとけはじめて、雨が降るようになる季節。 農耕の準備はこの雨水を目安に始めるとされてきました。
啓蟄・けいちつ(2月節)3月6日ごろ
冬眠していた虫が這い出してくる季節。
春分しゅんぶん(2月中)3月21日ごろ
 春を2つに分ける、つまり春の半分の時点と言う意味です。昼夜の長さが同じになります。 と言っても「地心(地球の中心)」から見た場合なわけですし、 大気による屈折がありますので、地上では時間がずれます。

 仏教では西方十万億土に阿弥陀仏が住む「浄土」があり、そこでは「彼岸会」が行われる とされており、お彼岸の中日として西方十万億土にいる祖先の霊を慰めるために 墓参りなどが行われます。春分の日は太陽が西方十万億土のある真西に沈むからなのですね。
ちなみにお彼岸の入りは春分の日の3日前です。彼岸明けは秋分の日後三日前、 都合一週間の間です。

 イラン暦ではこの日が年初となります。 キリスト教の復活祭は「春分後の最初の満月後の最初の日曜日」とされています。 1998年ですと、ハハ計算しますね。春分の日が3月21日で、その後の満月が4月12日で 日曜日ですから、ギョギョ!4月12日なのでしょうか?4月19日なのでしょうか・・・・・ わからない、墓穴を掘ってしまった (^^;

そうしたら客星さんsuchowanさん 教えてくれました。いつもありがとう御座います。
 復活祭の計算は天体暦を使わないで、 教会は独自の暦計算をしていて、満月の日は4月11日としてるのですって。 なので復活祭は4月12日どえーす(^^)/

清明せいめい(3月節)4月5日ごろ
さっぱりとして明るくなる季節
穀雨こくう(3月中)4月20日ごろ
百穀を生じる春雨が降る季節。種まきの好機でありまして、 この時期に雨の期間が長いことを「菜種梅雨(なたねづゆ)」といいます。

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立春〜穀雨

立夏〜大暑

立秋〜霜降

立冬〜大寒


立夏〜大暑

立夏りっか(4月節)5月6日ごろ
暦や歳時記の上では夏でありますけれども、 ゴールデンウイークの時期で、まだ春という感じが強い季節ですね。
小満しょうまん(4月中)5月21日ごろ
麦が穂をつける季節。 小満とは万物がだんだん長じて、天地に満ちはじめることを指します。
芒種ぼうしゅ(5月節)6月6日ごろ
芒(のぎ)のある作物、つまりは田植えの季節。
夏至げし(5月中)6月21日ごろ
田植えがもっとも忙しくなる季節で、昼がもっとも長い日になります。 夏至線は北回帰線ともいい、太陽はこの線の真上を通過します。 それ以後は太陽は南下を始めます。
小暑しょうしょ(6月節)7月7日ごろ
少し暑くなる季節。この日から暑気に入り「暑中お見舞い」が出されるようになります。 この日の前後に梅雨明けとなる事が多いようです。
大暑たいしょ(6月中)7月23日ごろ
大いに暑くなる季節。夏の土用はこの季節に入ります。

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立春〜穀雨

立夏〜大暑

立秋〜霜降

立冬〜大寒


立秋〜霜降

立秋りっしゅう(7月節)8月8日ごろ
残暑が厳しい季節ですが、暦の上では秋となります。したがいまして この日より季節の挨拶は「残暑お見舞い」となります。
処暑しょしょ(7月中)8月23日ごろ
暑さがおさまってくる季節。穀物が実りはじめますが、昔から「二百十日」と並んで 台風の来る特異日とされております。
白露はくろ(8月節)9月8日ごろ
秋の気配が本格化して、草花に宿る露が秋の趣を感じさせる季節。
秋分しゅうぶん(8月中)9月23日ごろ
昼と夜の長さがほぼ同じになります。この日は彼岸の中日にあたります。 この日の3日前が「彼岸の入り」、この日の3日後が「彼岸の明け」となります。 祖先を敬い、故人の御霊を偲ぶ日とされております。
寒露かんろ(9月節)10月9日ごろ
寒露といいますのは、晩夏から初秋にかけての草花に宿る露のことをいいます。 穀物の収穫が一番忙しい季節でもあります。
霜降そうこう(9月中)10月24日ごろ
霜降は文字どおり「霜が降る」季節。

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立春〜穀雨

立夏〜大暑

立秋〜霜降

立冬〜大寒


立冬〜大寒

立冬りっとう(10月節)11月8日ごろ
冬に入る最初の季節で、いよいよ寒くなる季節。
小節しょうせつ(10月中)11月23日ごろ
寒さもまだそれほどでもない季節。
大雪だいせつ(11月節)12月8日ごろ
山の峰はもう雪に覆われている季節。
冬至とうじ(11月中)12月23日ごろ
昼が一番短くて夜が長い日。太陰太陽暦ではこの冬至を起算点としました。 ミトラ教など古代からある宗教は「冬至祭」が催されることが多かった日ですね。

日本ではこの日が旧暦の11月1日にあたると「朔旦(さくたん)冬至」といって 瑞祥(ずいしょう)とされ宮中で祝宴が行われました。

冬至は民間でも「ゆず湯」に入るなどの風習があります。

小寒しょうかん(12月節)1月7日ごろ
寒気が最大までにはいかない季節。この日から「寒の入り」とされ寒中見舞いなど が出されます。

小寒から節分(春分の前日)までが「寒の内」と呼ばれ寒さの厳しい時期が続きます。

小寒から4日目は「寒四郎」とよばれ麦作の厄日・小寒から9日目は「寒九」とよばれまして この日に降る雨を特に「寒九の雨」呼び豊穣の兆しとして尊ばれました。

大寒だいかん(12月中)1月21日ごろ
寒さがもっとも厳しくなる季節で、様々な寒稽古が行われます。

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置閏法



定気と恒気


●平気と定気
 二十四節気は平気(恒気)と定気の二種類があります。現在では定気法が改変され使われています。
●平気
 一年の長さを二十四等分して、その二十四等分開始地点を当時としたもので、 二十四の各分点を通過する時に事項を表す名称を付けました。

 一ヶ月を2つに分けて、例えば1月の頭を一月節立春・真ん中を一月中雨水と呼びました。

●定気
 平気は時間を二十四等分しましたが、定気は太陽黄径を15度ずつ24等分しました。 従って15度ずつ進む日数が同じではありません。地球が太陽に近い時は早く15度を過ぎますが、 遠日点付近では15度は遅く進みます。
●置閏法
 さて旧暦との調整項目です。

 平気の閏月は365.25/24*2で30.44日。すると一暦月より長いので、24節気を各月2分点に分けますと 中気を含まない月を生じます。この月を閏月としました。

 定気の場合平気と同じ方法ですが、冬至はかならず11月に、春分は2月に、夏至は5月に、 秋分は8月に含まれるように、この規定に従って閏月が挿入されました。

 旧暦ってめんどうでしょ(^^;

確か今年1998年は旧暦の年内に立春がきますのは、この規定のためなのですね。 


参考文献

計算ソフト

●参考引用文献一覧
新明解国語辞典三省堂
大辞林.
天文手帳地人書館
理科年表丸善
理科年表読本丸善
東京堂出版
WHENsuchowanさん
Julian.

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