おおぐま座
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UMa
学名Ursa Major
略号UMa
20時の南中月日5月初旬
星座設定者プトレマイオス


ギリシア神話
★カリスト(A1.A2.A3.A4)
 月の女神アルテミスは処女神で、連れている精女(ニンフ)もみな 処女でありました。そのニンフの中に美しいカリストがおりましたが、 大神ゼウスの寵愛を受け子供を宿してしまいました。

 ある日のこと、アルテミスとニンフ達は一緒に沐浴するすることになりました。 アルテミスはカリストは裸になったため(A3)、 カリストが子を宿していることに気がつきました。 アルテミスはひどく怒り、カリストを熊の姿に変えてしまったので、 カリストは森をさ迷い歩くことになってしまいました。 やがてカリストはアルカスという子供を産みましたが、 母からは離れて育ち(うしかい座:予定)狩人となりました。

 大人になったアルカスは、森へ狩りに出かけたときに熊になってしまったカリストと ばったりとあってしまいました。カリストは喜んでアルカスに近づこうとしましたが、 アルカスには熊が飛び掛かって来るようにしか見えません。 アルカスは熊に向かって弓を絞ったところを見たゼウスは、 あわやと言うところでつむじ風を起こし二人を天に巻き上げて、 「大ぐま」と「子ぐま」の星座にしてあげたといいます。

 しかしゼウスの妃のヘラは、ゼウスの浮気相手が星座となり輝き出 した事が癪に障り、大熊・小熊の星が1日1回海に入って休む事が出来ないように、 大洋の神オケアノスに頼んで北の空を巡るようにしてしまいました。

●所伝
 カリストを熊に変えてしまったのは女神ヘラであるとか、ヘラに怒られたゼウスがしたのだと 言うお話もあるようです。そのお話の続きではアルテミスが、処女の誓いを破った牝熊を 殺した話に繋がるようです。一方アルカスは狩りの最中、禁断の地に足を踏み入れ殺されてしまい、 カリスト・アルカス親子を気の毒に思ったゼウスが、 二人を星座にしていあげたというお話もあります。


北斗七星(A1.A3.A5)
★星の名前
北斗七星
αドウベくまの背
βメラク
γフェクグふともも
δメグレズ尾の付け根
εアリオト
ζミザールおび
ηベネトナーシュ泣き女の長

 古代アラビアでは、ひしゃくの口が棺桶で柄の三星が棺の前で泣きわめく「泣き女」で、 その先頭の長に「ベネトナーシュ」という名前が付けられております。
★くまじゃない(A3.A4)
 大熊座の腰から尻尾の部分に位置する北斗七星は様々なものにひせられていたようです。

アイルランドアーサー王の車アーサー王伝説
ドイツカルル大公の車カール大帝
ラップランドとなかい
デンマーク
スエーデン
オーディーンの車
トールの車
北欧神話
インドまだらの牛
エジプトカバ
古代エジプトチホンエジプト神話
中国帝車二十八宿

★アルコルとミザール(A4)
アルコルとミザール  肉眼二重星のミザールは馬のことで、アルコル(かすかなもの)は乗り手と言う意味があります。 アルコルとミザールは連星で、アルコルとミザールが各々連星です。二重星の二重星なのです。

古代アラビアではこの連星が見えるか見えないかで目のテストをしておりまして、 ザイダク(試験)という別名もあります。



北斗七星のお話(A1.A4)
●フランス・バスク地方
 ひしゃくの口の部分(αβγδ))は二人組みの牛泥棒で、その後を大男と犬を連れた妻と その主人が追いかけている姿であるといいます。
●韓国
 ひしゃくの口の部分(αβγδ))はいびつな家で、それをなた(アルコル)を振り上げた大工と その息子が追いかけている姿であるといいます。
●中国
 「北斗と南斗」及び「北斗七星と建築」は別項目(中国神話)予定です。
●日本
 私は未だ未調査です(^^;


アメリカ・インディアンの神話

●大熊の尻尾は何故長い?(A4.A5)
 森に遊びにいったクマは道に迷って夜になってしまいました。 森の木々は夜になると散歩に出かけます。 クマの所にガヤガヤと喋る木々たちがやって来て、クマの周りをグルリと囲んでしまいました。

 そこに木の大王のカシの木がやって来て、クマがうろついていてジャマだというので、 クマのシッポをつかんでグルグル振り回し、 でやー!と天に投げ飛ばしてしまい、クマはそのまま天に引っかかってしまいました。 そのため大熊座のシッポは長いのです。

●何故紅葉するの?(A1.A4)
 五大湖周辺のイロクオイ・インデアンのお話です。
 ひしゃくの口の部分(αβγδ))はクマで、柄の部分の三星は狩人です。 真ん中の狩人(ミザール)はクマを煮て食べようとナベ(アルコル)を持っています。

 狩人は一年中クマを追いかけております。クマは秋になると逃げ場をなくしてしまい、 三人に追いつかれ殺されてしまいます。その時の血で木が赤く染まり紅葉すると言われております。


参考引用文献
A1★星座手帳・草下英明著・教養文庫・658・c028
A2★星座の話・野尻抱影著・ちくま文庫・490・476
A3★ギリシア・ローマ神話辞典・高津春繁著・角川書店
A4★星空のロマンス・野尻抱影著・ちくま文庫・880
A4★ほしぞらの探訪・山田卓著・地人書館

B1☆21世紀星座早見ガイド・林完次著・講談社・B1069
B2☆天文年鑑・誠文堂新光社


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