中島らも裁判レポート(判決)


このレポートは、私とTさんの裁判傍聴時の記憶をもとに構成しております。
一言一句間違いなく裁判の内容を記録するものではありません。
表現、データ等誤りのある可能性もございますので、ご了承願います。万が一転載等ご希望の方はお知らせください。



●大阪地方裁判所 5月26日月曜日、10時開廷●

判決:中島らもこと中島裕之被告に懲役10月、執行猶予3年。

傍聴券の抽選はパソコン抽選ではなく、バケツいっぱいに
入った緑の棒をおみくじのように引くタイプの、クジでした。
先が赤いと当たりだったようです。
前回の失敗を活かして、今回はばらけて列に並んでクジに望んだんですが、
まったく意味がなかった^^;;。
Tちゃんと、Sさんが見事当たりを引きました。
Sさんがクジを当てたにもかかわらず、
その貴重な傍聴の大役を私に預けてくれることに・・・。
ああ、なんてありがたい。。。かたじけない・・・MLの管理をしている
からとはいえ、まったく要領を得ないアホ頭にそんな役を与えてくださる
なんて。ずうずうしくも替わりに傍聴させていただくことになりました・・・。

大阪地方裁判所/804号法廷
らもさんは、傍聴席から向かって右手のドアから入廷。やや大股猫背の
姿勢、おろおろした足取りで、入ってきました。一旦傍聴席の人々を
曖昧な目で一瞬見ると、緊張感でうろたえたような「うう」という低い声
を出していたようでした。


かなりよたってました。



櫛でとかしてない感じの白髪混じりのロングヘア。
グレーのくしゃくしゃのシャツ、黒いジーンズ(?)、瓶底ぐらいの厚さのフチなし眼鏡。
大きなスカラベ(?)の紋様の入ったシルバー系の首飾りとゴツゴツした
指輪を付けていたようです。最近朝食で吉野屋の牛丼を食べたりしているらしく
かなり太ったみたいです。

宮川一朗太風の若い裁判長が、裁判が始まるとすぐ
「それでは判決を言い渡します。被告人、中島らもこと中島裕之を
懲役10月、執行猶予3年に処する」と前置きもなく言い渡していました。
(新聞によりますと、西田真基裁判長だそうです。)

らもさんは、それを聞いた瞬間、意味がよくわかってないんじゃないかと
思うぐらい不安げなオーラを出していました。

裁判長は、
・多くの少年少女のファンを持ち影響力のある作家である被告人がファンの
期待を裏切るようなことをしたことをこの執行猶予期間で十分反省してください。
・今後の執筆活動を楽しみにしているファンが多くいるということも聞いております
ので、その期待に答えることで、この罪滅ぼし(そんな言い方じゃなかったけど)
をしてください。というような感じのことを言っていました。
裁判長の言葉は、子供をなだめるような優しい口調だったのでちょっと驚きました。
らもさんは、眠ったような声で、ただ「はい」「はい」とだけ言っていました。




裁判はほんの10分〜15分ほどで終わってしまいました。あっけなかった。
右側の関係者席には、らもさんの奥さんとあきほさん(長男/マネージャー)
が座っていました。判決を聞いても、動じた様子も喜んだ様子も見せて
いませんでした。(わかんないけど?)


奥さんとあきほさん


===============以下は同じく裁判を傍聴したMLメンバー、Tさんのレポートです===============

入るときにボディチェックがあります。カメラ付き携帯も持ち込み不可で、
預かってもらいました。
座席は43席。報道席が16、関係者席が3、残りが傍聴席でした。
1列目は報道席13&関係者席2でした。
(木村注:座席の数は確認とれていません)

なぜか、最後まで傍聴席が何席かうまらなかったのが不思議。

右側に弁護側3名、左側に検察?側が3名(うち1名女性)、
あと、正面左側に3名(裁判所職員?)、弁護側の後ろ側に1名(廷吏?)
いました。(木村注:確認とれていません) 左側の人たちは結構若かったです。

で、裁判官が入廷。裁判官の席は3席ありましたが、裁判長のみ。

裁判官が入廷する時って、みんな起立するんですね・・・。
キムさんともども、あわてて中腰になり、座りました。

らもさんが入廷する前に、報道によるカメラ・ビデオ撮影が2分間行われました。
(撮影されたものがその晩のNHKニュースに放映されていました)。
このとき、写りたくない人は撮影時に一時退出することができます。
何人か退出していました。
撮影開始後、「1分前」「30秒前」「終了です」と係員が告げます。(最初なんだかわからんかった)

> 宮川一朗太風の若い裁判長が、裁判が始まるとすぐ
> 「それでは判決を言い渡します。被告人、中島らもこと中島裕之を
> 懲役10月、執行猶予3年に処する」と前置きもなく言い渡していました。

ここが主文ですね。その他に、押収された大麻については、没収する旨が
告げられました。なんか、証拠品の番号言ってたけど長すぎて忘れました。
記事では「所持していた大麻は約6.5グラム」とありますが、
判決の時には、6.496グラムとやけに正確に言っていました。

で、裁判長が事由を述べました。私なりに要約すると、

被告は以前から国内で大麻などを使用していた。被告は小説家であり、
著書の中で大麻取締法について批判しており、大麻については親和性
があった。もっとも、国内での使用については、著書で使用しないと
公言していたこともあり、長らく自制していたが、本人いわく
「ギザギザとした精神」になってしまったため、妻や息子の
制止にも関わらず、国内でも常用するようになり、依存するようになっていた。
作家である被告の著書の読者には発達段階にある少年少女もおり、
影響力を考えると重罪に処するべきである。

しかしながら、被告は犯行当時躁鬱状態にあったこと、
また今後執筆したいという被告の意欲もあること、
息子の晶穂氏が被告を支援する意思があることをかんがみて、執行を猶予する。

といった感じです。かなりうろ覚えです。
あと、執行猶予についても丁寧に説明していました。 交通事故(人身とかでしょうね)もダメとのこと。

> 裁判長の言葉は、子供をなだめるような優しい口調だったのでちょっと驚きました。
> らもさんは、眠ったような声で、ただ「はい」「はい」とだけ言っていました。

先生みたいな、諭すような言い方でしたね。「です・ます」調ではなかったけど。
らもさんの「はい」「はい」というのは、なんかめんどくさそうな「はい」だったような・・・。
まさに、先生の説教という感じでした。

で、不服があれば2週間以内に申し出るように、と言って、閉廷しました。


==以上==

●MLでの投稿より引用(都合により不要と思われる箇所はキムラの判断により編集しております。
Tさん、ご協力ありがとうございました。


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