7〜8日目


 またしても朝5時半に起床。そのままセラムンを見る。そう言えば、こちらでは「爆走カーレンジャー」を「パワーレンジャー」として放映していました。「ジュウレンジャー」では話が続かなくなったので、別の特撮を再構成して放映しているようです。
 朝食後、新聞を読んだら佐藤官房長官の辞任が22日になる予定とのこと。うーん、この旅行中に一体何が起きたのだろう?
 TVニュースではF117ステルス戦闘機の事故の他にF/A18攻撃戦闘機の翼がもげたとか、F16戦闘機が発艦に失敗して海に落ちたなど、米軍戦闘機の事故が立て続けに起きたことを報道していた。しかし、航空ショーをやっているのなら、行けば良かったな。そんなことを考えられるのも帰国のために心の余裕が出来たからか?(笑)
 チェックアウトして空港バスの乗り場へ。バスの中でN社の偉い方と意気投合し、一緒に昼食を取りました。結局、今回の旅は日本人と食事をすることがほとんどでした。TVのニュースまで英語だと日本語に飢えてしまうのですね。
 カナダで出国手続きをする際、税関の女性職員に「これ、チョコレートでしょ?私にちょうだい」と言われる。「だめだよ、日本に帰って彼女にプレゼントしなきゃいけないんだから。それとも僕と付き合う?」と言うと、その場にいた税関職員一同大爆笑。いやぁ、最後に笑いがとれて良かった(笑)。
 トロントからデトロイトへ。入国手続き、出国手続きもないまま成田行きの飛行機へ。改めてカナダとアメリカが経済ブロックになっていることを感じました。カナダから出る時も国際線カウンターでなくて、カナダの国内線カウンターと併設されたアメリカ行きカウンターから出国したし。
 成田からは13時間。地球の自転と反対方向へ日本に向かいます。ジェット気流が強いこと、そして台風20号から変わった温帯低気圧がアリューシャン列島付近で勢力を保っていることから北寄りに航路変更。カナダ上空からアラスカ、ロシア上空を経て北海道、本州へと続く航路を飛行。
 今回は窓際、脱出用ドアのすぐ後ろの席と言うことで結構くつろげました。目の前には離着陸時にスチュワーデスが座るシートが有ります。おかげでスッチーさんとも仲良くなれましたよ。機中だけの仲だけどさ(笑)。スチュワーデスと言う仕事も大変だそうで、機内暴力の話をちょっと聞きました。酔ってえげつないことをする日本人が多いらしい。特に東南アジア帰りのオヤジ集団が一番危険とのこと。同じ日本人として恥ずかしいよなぁ。しかし、暴れるのは日本人ばかりではなく、アメリカ人も一緒とのこと。もっとも、ノースウェストはいかついオヤジのスチュワートが乗り込んでいるのでそんなに心配は無いそうです。
 筋肉モリモリで頭つるつるのちょび髭オジサンが「お茶は要りますか?」と怪しげな日本語で愛嬌を振りまく姿は、なかなかに微笑ましいものがあります。
 途中、延々と続くカナダ北部の大地を眺める。氷河がえぐって出来た湖の連なりはものすごく印象的。一定方向にそろった細長い湖が延々と続くのは氷河が大地を滑った跡だとすぐに判ります。上空から見下ろしても町の形跡すらない北の大地はものすごいインパクトでした。日本では絶対見られない!世界地図を広げてカナダを見ると北部中央に沢山の湖が点在する平地が在りますが、実際には地図に載らない小さな湖が無数に見えますよ。冬にはほとんど凍ってしまうのしょうけど。
 後、昔「科学と復習」とか「ひみつシリーズ」とかで見た通りの雲の固まりを見ました。低気圧に沿って渦巻く雲と温暖前線上に発達する積乱雲、寒冷前線状に広がる雲の列。おお、理科の時間だ(笑)。
 理科の時間でもう一つ。虹が円状であることをご存じでした?プリズム現象だから中心点から円状に広がるのですが、地上からだと円の一部が地平線に隠れるのでアーチ状に見えるのですね。薄雲に映る太陽の像が3重にも4重にも重なって絶景でした。それが飛行機について来るんですよ。ずーっと見える。ちょっとうれしい。
 でも、いつまでも見ていることが出来ず、途中は寝ていました。
 日本列島上空は北海道の一部が見えただけでほとんど曇り。秋雨前線が列島を覆っているのでしょうか。すっかり秋です。
 もうすぐ着陸という頃に、隣に座っていた日本人の男性、そして中華系のアメリカ人とひとしきり日本のことで盛り上がる。アメリカ人は日本に浄水器とダチョウの肉を売りに行くとか。あ、あやしすぎる。マイアミ在住で、真っ黒に日焼けして半袖に半ズボン、そして金色のチェーンの腕輪をしていて、あまりにもそれっぽい。彼はその後、台湾と香港に行くのだが、アジアの通貨が不安定になっているので、レートが不利だと嘆いていました。
 成田到着後、本当に簡単な出国手続きでゲートの外へ。税関なんか、鞄も開けなかったなぁ。大丈夫かいな?もっともX線検査はありますけど。
 成田エキスプレスで帰るためにチケットを入手しましたが、ここでトラブル発生。乗り込む前にチケットを見ると自分が申告した時間より一つ前の列車になっている。しかも購入時刻には既に出発している列車のチケット。
 改札でその旨を言って、次の列車のチケットに替えてもらいました。但し、席には座れないスタンディング・チケット。仕方なく東京駅までの1時間強を立って過ごしました。東京駅で席が空いた瞬間、速攻で着席、爆睡。
 と言うわけで、何とか家に帰り着いたのが夜の9時過ぎ。荷物の整理をしてから親しい人たちに電話をかける。やっぱり日本語に飢えていたことを再認識。午前1時就寝。

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