部屋から外の景色を撮影してみるが、 視線入力が意外とこちらの意志と連動しない。 ピントを合わせるときには、とりあえず半押しして、 カメラがピントを合わせるのを待ちながら、 画面の構図を確認するために、 知らぬ間に結構隅っこを見ているらしい。 すると、今までと違って視線入力を使っていると、 カメラは「ああこっちの方にピントを合わせたいんですね」 なーんて勝手なことを思ってそこにピントを合わせようとする。
慣れればよいのだろうけど、
撮影者の変更もちょっと面倒なので、
結局これ以降視線入力を使うことはなかった。
3点測距の状態でEOS10と全く同じなので、やはり使いやすい。
ホテルの前で走る車や町並みの写真を撮る。 車に乗っている人達がみんなこちらの見ている。 「もしかしたら勝手に人々を撮影すると怒られるのだろうか」 などと、今から思うとまったく余計な心配をしてしまった。
歩道を歩いていくと、すれ違った人がこちらをじっと見て、
なぜか敬礼のような仕草をする。
その後これがイランの人の挨拶ジェスチャーであることを知るが、
「軍隊関係者でもないのに、なんか変な人かな」と思って無視してしまった。
多くのイラン人と同じ、
普通のいい人だったのに悪いことをしたものだ。
右の写真のように、おじさん達が子供と遊んでいる姿をときどき見かける。
別に日本でもそれほど珍しい光景でない気もするけど、
やっぱりちょっと違和感が、、、
ミニサッカーのそばを歩いていると、 あちこちから「Welcome to Iran!」 という叫び声が飛んでくる。 その中の一人がこちらに寄ってきて、 「(英)写真撮ってほしかったら言ってね」。 さすがに一眼レフを渡すほど信用はできなかったので頼まなかったけど、 みんななんかいい人みたい。
声をかけてきた彼に 「(英)今日は金曜日だけど、イランでは金曜日は働かないんだよね?」 と聞いてみた。 質問の主語を「You」にしたので、 「僕は働いていないよ。学生だから」 という答えが返ってきた。 やっぱり英語圏の人ではないのかも。
「イランでは金曜日は休日だよね?」 ともう一度「You」ではなくて「People」を使って聞き直すと、 「そうだよ」とのこと。 「日食を見にイランに来たんだけど、 テヘラン、シラーズ、イスファハンに行く予定だよ」 などという話をした。 なんてことはない会話だけど、 ミニサッカーをやっていた他のメンバーまでも、 サッカーをやめて私たちのやりとりをにこにこして見ている。
彼らはきれい好きでもあるようで、 小川沿いに座るにしてもベンチに座るにしても、 上の写真のようにきちんと新聞紙を敷いて座っている人が多い。
それにしてもどこを歩いてもじろじろ見られる。 外国人が公園に来ることが珍しいのだろうか。 (その後どこに言っても日本人は注目の的であることを思い知るが、 この時点では知る由もなかった。。。)
体操をしている人もいる。今考えてもズールハーネのものとは違う感じ。
サッカー少年にペルシャ語で話しかけられて、さっぱり分からないが、
「中田」と言ったらしかったことだけは分かった。
交差点のそばに果物屋さんを見つけた。
ペルシャの数字はまだよく読めないけど、
とてもUS$1に達しないのは間違いなさそうなので、
ホテルで両替しないことには始まらなそう。
お店での安い買い物ができなさそうなので、
ホテルでUS$10換金。79,800Rls(リアル)になった。
一般的にUS$1=8,000Rlsらしい。
「歩き方」に書いてあるよりもだいぶ高い。
噂通りインフレ、じゃなくてデフレだなこれは、うーむ。
「歩き方」に書いてあるようなUS$1,000以上イランに持ち込むと換金レートが変わる、
というようなことは今はないようだ。
入国時にも特にUS$1,000以上にこだわるような対応は見られなかった。
ビュッフェの中にアイスクリームがあって、 食べてみたけど適度な甘さ。 欧米の歯が溶けるような甘さはない。 そもそもあの感覚が変なのだ。
現地ガイドに町中での服装を確認すると、男の人はTシャツはいいけど、 短パンは一般的に不可とのこと。 「歩き方」では不可と書かれていた「靴下は履かないでサンダルを履く」 のは別に構わないそうだ。 実際イラン人の服装を見ているとこのルールに従っている。
そうすると、何人かが突然我々の方にきて大学に入るのを阻止しようとした。 どうも意味がよくわからない。両耳の横で手のひらを広げて 「ナマーズ、ナマーズ」というので、 真似をして両手を耳に当て「ナマーズ?」 といったら、「うん、うん」とうなずき「ナマーズ」。 こちらは全然意味がわかっていなかったのだが、 通じたと思ったようだ。
あまりにも話が通じないので 「(英)英語は話せるのか?」と一人が聞いてきた。 「話せるから説明してよ」 と言うと誰かを呼んできた。 質問した彼は「英語は話せるのか?」 程度しか英語が話せないらしいのに、 わざわざ英語が話せる人を呼んできてくれたらしい。
後で知ったことだけど、 毎週金曜日はテヘラン大学の構内とその周辺の道路でお祈りがささげられる。 そのためにムスリムでない人間はその道路にさえ立ち入ってはいけない。 しかし、そんなことはその時点では想像もしていなかったので、 英語の話せる彼の説明もいまいちよく分からない。
テヘラン大学と言えば、ごく最近に暴動が起こった場所。
その時には海外渡航危険情報でもイランが登場したほどの出来事だったから、
「きっとこれは暴動の影響が残っているのかも」
などと滅茶苦茶な想像をして、
「危険なの?」と質問してみた。
彼の答えは「危険ではない(当然だ)けど、ラーレ公園の方がベター。
このそばを歩きたいなら同行してあげるから大丈夫」。
分からないながらもそこまで大学に執着があるわけではなかったので、
「じゃぁ公園に行くから大丈夫だよ」と言って別れた。
今から思うとやっぱり親切な連中だ。
彼は多くの日本で働いたことのあるイラン人と同じように、
日本語ペラペラだけど、英語はほとんど話せない。
彼のの日本語はとても数年しかいなかったとは思えないほどうまくて、
こちらが理解するのに困ることはない。
ただこちらの日本語が全部分かるわけではないので、
英語で言い直してみるともっと分からなそうな顔をする。
結局やさしい日本語をこちらが考えることになる。
テヘラン以外にもシラーズとイスファハンに行くという話をすると、
「この季節はそっちの方は暑い。北の方の水辺がすごくいい」
とのこと。
これと同様のことをいろんなイラン人に言われた。
「どんなイラン人と話をしても『イスファハンに是非行きなさい』
と言われる」という話だったのに、ちょっと違う。
彼の奥さんも一緒に散歩していて
「サラーム」と挨拶してみたが、
ニコッと笑うだけだった。
別のイラン人が英語で話しかけてくる。
アメリカに行っていたことがあるらしい。
なんてことはない会話をするが、
知らぬ間にイラン人10人くらいに取り囲まれてしまった。
彼らは特にお互いが知り合いというわけではないようだ。
一人は日本で働いていた兄弟にもらった日本円硬貨を見せてくれた。
もらったのは分かるけど、なんでいつも持ち歩いてるんだろう。
彼の宝物になっているようだった。
別の一人はアメリカに行っていた彼に通訳を頼んで、 「日本人はもうイラン人が日本に働きに来なくてもいい、 と思ってるんじゃないか」 とかなり答えに詰まる質問をしてきた。 イラン人の親切さが徐々に分かってきていたので、 現在の日本でのイラン人に対する感情を伝えるのは気がひけてしまい、 無難な返答をしてしまった。
集合時間も近づいてきたので歩き始めると、
パキスタンに留学していたイラン人に英語で話しかけられた。
「英語を完璧に話せるか?」と聞いてくるので
「ちょっとだけなら話せるよ」と聞くと、
「私は完璧に話せる」とのこと。
技術の話などにもなったので、
珍しく自分の仕事の話などもしてしまった。
メンバーの一人が現地の女の人の撮影をしている。
彼も言っているように「嫌がっている風だが、本音は写真を撮ってほしい」
という雰囲気に見える。
握手をしようとしたら断られたらしいけど、
やはり女性は握手をしないのだろう。
ただし「歩き方」とかにも書いてあるように、
年輩のイラン人女性は撮られるのを嫌がる人が多いようだ。
男性も多くは写真に撮られることを喜んでいる。
カメラを向けるとなぜか動きを止めてくれて、
どうやらこちらの撮影に協力してくれているらしい。
ただ写真に慣れていないのか、
誰でも写真に撮られる表情はすごく硬い。
「ベーハーン」(笑う)を多用していい表情を撮りましょう。
イラン中で食卓に並んでいるミネラルウォーターは、
この山並みの中にあるイラン最高峰の山の名前がついており、
この山の標高2,000mくらいで取っている。
「パーレビ国王」 / イランの山
チャーイが配られ、のんびり飲み始めると、
ツアーメンバーの自己紹介が始まった。
正直ツアーに参加して一番面倒なことかもしれない。
日食のツアーに初めて参加する人はとても少ない。
その後のスカイウォッチャーを見ると、
初めての人や家族で参加する人はヨーロッパ方面に多かったらしく、
イラン方面は気合いの入った単身者が多かったようだ。
水たばこが配られる。
煙草は吸わないけど試しに吸ってみると、
ほとんど味がしない。
誰が吸っても味がしないのでよくよく見てみると、
炭の火が消えていた。
もう一度ちゃんとついているので吸ってみたら、
確かに味がした。
でもむせるほどのことはなく、香りがきついだけで煙草という感じはない。
炭の火が消えないようにと、
各自が持ってきた扇子で扇いだりしてみたが、
灰が散乱してとんでもないことになってしまった。。。
山のことも聞いたら、 彼は日本人の登山ツアーの通訳をやったことがあるらしい。 イランで一番高い5600m以上の山で山小屋もないらしい。 「普段登山してないんだったら高山病もでるし、 つらかったんじゃないの?」 と聞いたら、 「一回目は途中でギブアップしたけど、二回目はなんとか登った。 夏に登れば頂上付近は雪があるけど、 夏山の装備(アイゼンなどは不要)で登れる」とのこと。 「またイランに来れるか全く分からないけど、 今度イランに来たら登ってみたいから案内してよ」 と言っておいた。
山肌には植物は全く生えていなくて、
岩がむき出しになっている。
ハッサニにロッククライミングのことを聞いてみたが、
そのようなスポーツの存在は知らない、とのこと。
登ったら楽しそうな岩の壁なんだけどなぁ。。。
店の中央に小さな舞台があるが、 この舞台の周りにもちゃんと池が設置されている。 ほんとに水は贅沢の象徴、と言った感じだ。
2階にあがる階段の途中から店内を撮影していると、 下の方で子供達がこっちを見て笑っている。 そっちにカメラを向けたら大喜び。 ストロボに気づいた周りの大人達も笑って許してくれる。
その後もその子供達がそばを通るたびに手を振ってくれて、 写真も照れながらも喜んで撮らせてくれた。 最後に帰るときも大きく手を振ってくれて、 なんかほんとにうれしい。
夕食は20:15-23:00。
この国ではこれくらいの時間に活動することは珍しくない。