2台のピアノのための作品
For two piano Works
メンデルスゾーン〜リスト ”無言歌集”による演奏会用大独奏曲
悲愴協奏曲
ラコッツィ行進曲
S257
S258
S608
交響詩“人、山上にて聞きしこと”
交響詩”タッソー”
交響詩”前奏曲”
交響詩”オルフェウス”
交響詩”プロメテウス”
交響詩”マゼッパ”
交響詩”祭典の響き”
交響詩”英雄の嘆き”
S635
S636
S637
S638
S639
S640
S641
S642
交響詩“ハンガリー”
交響詩”ハムレット”
交響詩”フン族の戦い”
交響詩”理想”
ファウスト交響曲
ダンテ交響曲
ベートーヴェン〜リスト ”アテネの廃虚”のテーマによる幻想曲
S643
S644
S645
S646
S647
S648
S649
ピアノ協奏曲 第1番
ピアノ協奏曲 第2番
死の舞踏    
シューベルト〜リスト さすらい人幻想曲
ヘクサメロン
ベリーニ〜リスト ノルマの回想
モーツァルト〜リスト ドン・ジュアンの回想    
ベートーヴェン〜リスト 交響曲第9番
ベートーヴェン〜リスト ピアノ協奏曲 第3番
ベートーヴェン〜リスト ピアノ協奏曲 第4番
ベートーヴェン〜リスト ピアノ協奏曲 第5番                    
S650
S651
S652
S653
S654
S655
S656
S657
S657 a
S?
S?
メンデルスゾーン〜リスト ”無言歌集”による演奏会用大独奏曲          S257  1834年
初演については、諸井三郎さんの『リスト』では、“パリにおいて1835年にマダム・ヴィアルとリストで行なわれた”となっていますが、CDライナーによると、最近の研究の結果、1834年12月にショパンとリストによって行なわれたとの事です。デレク・ワトソンの『リスト』では、1835年4月9日にマダム・ヴィアルと初演、と記載されており、そのコンサートにおいて、リストは過労とストレスから、演奏会中に倒れてしまったとの記述があります。プレミアがショパンとリスト、その後何回か演奏されたうちの一つがマダム・ヴィアルとリストなのでしょう。

CDのライナーによると、1830年にリストはメンデルスゾーンと知己になり、やがてそのサークルは芸術家達の集まりとなります。その中にはショパン、ヒラー、ベルリオーズもいました。そしてリスト、ショパン、メンデルスゾーン、ヒラーという信じられないような4人によって、4手、2台のピアノ、さらには8手によるさまざまな曲が演奏がされたとのこと。1832年〜33年
※1にはショパン、リスト、ヒラーによって、バッハの3重協奏曲が演奏されたとのことです。このバッハの3重協奏曲は後に、1840年にリストがライプツィヒにて演奏会を開いた際、リスト、メンデルスゾーン、ヒラーによって再度演奏されます。そのことはユリウス・カップの『リスト』において紹介されている、シューマンのクララ宛て書簡で記述が残されています※2。またハンス・クリストフ・ヴォルプス著『メンデルスゾーン』でも紹介されています※3

このトランスクリプション作品は、1832年に出版されたメンデルスゾーンの無言歌集第1巻作品19の第1番“甘い思い出”、第6番“ヴィネツィアの舟歌 第1”、第3番“狩人の歌”を使用しています。ヴィルトゥオーゾ時代のリストらしい華々しい作品です。冒頭の旋律には“超絶技巧練習曲”第7曲“英雄”の冒頭に似ています。またショパンのソナタに似た旋律も登場します。僕の持っているCDでは2台のピアノ版なのですが、サールの番号では4手のピアノ版のところに入っています。

※1 CDのライナーには1823年〜1833年となっているのですが、誤植ではないでしょうか?

※2 P100
※3 『メンデルスゾーン』 ハンス・クリストフ・ヴォルプス著 尾山真弓 訳 音楽之友社 1999年  P。94

Grand Concert Piece after Mendelssohn’s “Songs without Words”
(20:00 HUNGAROTON HCD32054)
ラコッツィ行進曲                                 S608    ?年
2台のピアノのための“ラコッツィ行進曲(S608)”は、管弦楽版から編曲されたものです。この管弦楽版と同じ、“ラコッツィ行進曲”はピアノ独奏曲版(S244)もあります。僕の持っているCDでは2台のピアノ版なのですが、サールの番号では4手のピアノ版のところに入っています。

音数が増した分、2台のピアノ版は迫力が違います。まずリストが編曲した“ラコッツィ行進曲”で最も有名な“ハンガリー狂詩曲第15番”は“ラプソディ”という性格上、幻想的な側面もありますが、S244、S608は行進曲としての性格が強くなります。そして、ピアノ独奏版では、静かな部分と力強い部分の対比が明確でしたが、2台のピアノ版となることで、静かな部分でも音数が多くなり、そこでは様々な装飾が加えられています。

Rakoczi March
(11:33 HUNGAROTON HCD32054)
ファウスト交響曲                                S647    1860年
2台のピアノのための“ファウスト交響曲”は、1860年に作られ、さらに1863年に改訂版が出版されました。2台のピアノ版は、1857年版の合唱部にあたる部分はなく、その前のインストゥルメンタルのみの交響曲草案版によってます。1858年にカール・タウジヒがピアノ曲に編曲しています。

この2台のピアノ版は、ほぼファウスト交響曲全体を忠実に編曲していますが、旋律の一部がピアノ向きに変えられています。特にメフィストーフェレスの楽章は、オーケストラ版で感じるヒステリックな狂騒ぶりが、悲痛な感じにきこえて面白いです。

A Faust Symphony
(63:41 CPO 999 056-2)


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