Douze Etudes d’execution transcendante  超絶技巧練習曲集  S139
Twelve Etudes Op.6 (Etude en douze exercices) 12の練習曲集 S136

演奏 クラウディオ・アラウ                  recommend!!
タイトル 『超絶技巧練習曲集』    
データ 1974/75年録音 PHILIPS  416 458-2
国内盤   輸入盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 1:05
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:13
3. 風景 S139/3 4:16
4. マゼッパ S139/4 7:35
5. 鬼火 S139/5 4:22
6. 幻影 S139/6 6:01
7. 英雄 S139/7 4:50
8. 荒々しき狩 S139/8 5:04
9. 回想 S139/9 10:58
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 4:44
11. 夕べの調べ S139/11 8:50
12. 雪あらし S139/12 6:04
感想
荒々しく野生味に溢れた超絶技巧練習曲集です。構成感も損なわずに12曲がしっかりとまとめられています。“超絶技巧”で僕が一番よく聴くアルバムで、僕にとってのスタンダード盤です。初めて聴く方にお薦めです。


演奏 ボリス・ベレゾフスキー                  recommend!!
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ
1995/96年録音 TELDEC  4509-98415-2
国内盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 0:43
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:21
3. 風景 S139/3 4:03
4. マゼッパ S139/4 6:33
5. 鬼火 S139/5 3:24
6. 幻影 S139/6 6:52
7. 英雄 S139/7 4:31
8. 荒々しき狩 S139/8 5:00
9. 回想 S139/9 9:25
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 4:22
11. 夕べの調べ S139/11 9:20
12. 雪あらし S139/12 4:50
感想
独創的な解釈に満ちた“超絶技巧”です。様々なニュアンスや演奏表現が試みられて、全く新しい“超絶技巧”を産み出してくれています。従来の解釈による演奏に聴きなれていると、最初とまどいますが、次第に千変万化する表現に夢中になります。強弱の付け方が素晴らしく、打ち付けるようなベース音の上に、繊細な旋律がのったりするところなど、同一人物の2本の手から産み出されているとは思えないほどです。


演奏 ラザール・ベルマン                  recommend!!
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ
1963年録音 MERODIYA VICC-2022
収録曲
  超絶技巧練習曲集  全12曲         S139
1.プレリュード                   S139/1   0:52
2.(モルト・ヴィヴァーチェ)           S139/2   1:52
3.風景                       S139/3   5:29
4.マゼッパ                     S139/4   7:10
5.鬼火                       S139/5   3:46
6.幻影                       S139/6   5:29
7.英雄                       S139/7   4:39
8.狩                         S139/8   4:41
9.回想                        S139/9   9:31
10.(アレグロ・アジタート・モルト)       S139/10  4:05
11.夕べの調べ                  S139/11   9:41
12.雪あらし                     S139/12  5:07
感想
“巨大”とい表現が最もふさわしい“超絶技巧”です。12曲すべてが巨大なダイナミズムを持っています。アラウの演奏を長く聴き続けて来た僕には衝撃的でした。“マゼッパ”での装飾音が明瞭に奏でられ、それにもかかわらず、疾走感を失わないのです。#6の“幻影”は、“葬送行進曲”という解釈もあるのに(実際アラウはそのような感じで演奏します)、ベルマンはまるで“凱旋行進曲”のように、豪快に演奏します。


演奏 ラザール・ベルマン            
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ
1959/61年録音 MERODIYA 74321 25180 2
輸入盤
収録曲
 超絶技巧練習曲集  全12曲          S139
1.プレリュード                     S139/1   1:00
2.(モルト・ヴィヴァーチェ)             S139/2   1:48
3.風景                          S139/3   5:39
4.マゼッパ                        S139/4   7:28
5.鬼火                          S139/5   3:27
6.幻影                          S139/6   5:43
7.英雄                          S139/7   5:17
8.狩                           S139/8   4:36
9.回想                          S139/9   9:42
10.(アレグロ・アジタート・モルト)         S139/10  4:13
11.夕べの調べ                    S139/11   9:25
12.雪あらし                      S139/12  5:01

13.ハンガリー狂詩曲 第9番”ペストの謝肉祭” S244/9 10:03
感想
63年の録音に比べると、見劣りしてしまいます。音質が悪いことにもよると思うのですが、63年盤での、目が眩むような明晰な装飾も失われ、音はつぶれてしまっています。全体としてもただ演奏されていくような感じで、ベルマンの魅力がでていません。


演奏 ラズロ・シモン            
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ
1986年録音 BIS CD-369
収録曲
 超絶技巧練習曲集  全12曲         S139
1.プレリュード                     S139/1   0:47
2.(モルト・ヴィヴァーチェ)             S139/2   2:13
3.風景                          S139/3   5:04
4.マゼッパ                        S139/4   7:47
5.鬼火                          S139/5   3:41
6.幻影                          S139/6   5:19
7.英雄                          S139/7   4:45
8.狩                           S139/8   5:20
9.回想                          S139/9   9:45
10.(アレグロ・アジタート・モルト)         S139/10  4:20
11.夕べの調べ                    S139/11   9:37
12.雪あらし                      S139/12  5:26
感想
アラウの演奏と違って、透き通った音色が魅力です。コンパクトにまとまり、凝縮されたような“超絶技巧”です。


演奏 ホルヘ・ボレット            
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ 1985年録音 LONDON 414 601-2
国内盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 1:04
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:56
3. 風景 S139/3 4:50
4. マゼッパ S139/4 8:55
5. 鬼火 S139/5 4:32
6. 幻影 S139/6 6:21
7. 英雄 S139/7 5:31
8. 荒々しき狩 S139/8 6:30
9. 回想 S139/9 10:52
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 5:30
11. 夕べの調べ S139/11 10:42
12. 雪あらし S139/12 6:07
感想
余裕を持ってゆったりと弾こうとしたのか、全体的に鈍重な演奏となってしまい、超絶技巧練習曲集の魅力が伝わってきません。部分部分で音の響き方が美しいのはさすがボレットです。


演奏 大井和郎           
タイトル 『12の練習曲集 (超絶技巧練習曲集 初稿) 』
データ 2001,02年録音 DEUTSCHE SCHALLPLATTEN(徳間ジャパン・コミュニケーションズ) TKCC-15230 
国内盤
収録曲
12の練習曲集 全12曲
1. 第1番 ハ長調 S136/1 1:01
2. 第2番 イ短調 S136/2 1:10
3. 第3番 ヘ長調 S136/3 3:55
4. 第4番 ニ短調 S136/4 0:56
5. 第5番 変ロ長調 S136/5 2:52
6. 第6番 ト短調 S136/6 1:15
7. 第7番 変ホ長調 S136/7 2:21
8. 第8番 ハ短調 S136/8 1:43
9. 第9番 変イ長調 S136/9 4:18
10. 第10番 ヘ短調 S136/10 1:44
11. 第11番 変に長調 S136/11 3:51
12. 第12番 変ロ短調 S136/12 2:12
24の大練習曲集  より5曲
13. 第6番  ト短調   ラルゴ・パセティコ S138/6 6:01
14. 第7番  変ホ長調 アレグロ・デシソ S138/7 6:20
15. 第9番  変イ長調  アンダンティーノ S138/9 10:16
16. 第11番 変ニ長調 レント・アッサイ
S138/11 11:21
超絶技巧練習曲集 より
17. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 4:46
感想
“パガニーニ・エチュード”に続いて発表されたリスト・ルネサンスの第2弾です。“超絶技巧練習曲集”の初稿である、“12の練習曲集 作品6”のディスクです。録音が少なく、習作と考えられる、この作品を実に丁寧に演奏されています。14歳のリストの野心を、リアルに伝えてくれるアルバムです。また第2稿の“24の大練習曲集”からも4曲、最終稿“超絶技巧練習曲集”から、第10番のみ、いっしょに録音されていることも嬉しいです。


演奏 ジョルジ・シフラ            
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ 1957,58年録音 EMI  TOCE-13041
国内盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 0:48
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:03
3. 風景 S139/3 5:15
4. マゼッパ S139/4 7:20
5. 鬼火 S139/5 3:59
6. 幻影 S139/6 4:49
7. 英雄 S139/7 5:00
8. 荒々しき狩 S139/8 5:31
9. 回想 S139/9 9:01
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 5:09
11. 夕べの調べ S139/11 10:10
12. 雪あらし S139/12 4:35
感想
シフラならではの独特のニュアンスと豪快さが楽しめます。シフラは細部の表現にこだわるような完璧主義者ではないと思います。全体をマクロ的にとらえ、音楽に生命を吹き込み、快活にダイナミックに聴衆を魅了する素晴らしい演奏です。


演奏 小菅優
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ 2002年録音 SONY SICC336
国内盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 0:49
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:04
3. 風景 S139/3 4:28
4. マゼッパ S139/4 7:13
5. 鬼火 S139/5 3:46
6. 幻影 S139/6 5:14
7. 英雄 S139/7 4:45
8. 荒々しき狩 S139/8 4:57
9. 回想 S139/9 9:52
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 4:23
11. 夕べの調べ S139/11 9:43
12. 雪あらし S139/12 5:30
感想
ダイナミズムもあり、迫力もあるのですが、ただ不思議と全曲を通して聴くと、それぞれの曲の個性が感じられなかったです。特に耳を惹き付けられ、魅力を持っているのは“夕べの調べ”です。素晴らしくドラマティックであると同時に、とても繊細な表現、詩情を感じさせてくれます。


演奏 横山幸雄
タイトル 『超絶技巧練習曲集』
データ 1998年録音 SONY SRCR2295
国内盤
収録曲
超絶技巧練習曲集 全12曲 S139
1. プレリュード S139/1 1:03
2. (モルト・ヴィヴァーチェ) S139/2 2:06
3. 風景 S139/3 4:41
4. マゼッパ S139/4 7:30
5. 鬼火 S139/5 3:19
6. 幻影 S139/6 5:20
7. 英雄 S139/7 4:53
8. 荒々しき狩 S139/8 5:10
9. 回想 S139/9 10:21
10. (アレグロ・アジタート・モルト) S139/10 4:19
11. 夕べの調べ S139/11 9:09
12. 雪あらし S139/12 5:26
感想
録音の秀逸さだと思うのですが、コンサートホールの最前列で聴く時のような、ピアノと聴き手の間の距離感を感じます。技巧は素晴らしく、“神秘的”な領域に到達しています。これほど楽しげな“鬼火”は滅多に聴けません。ただし“マゼッパ”を聴いても“10番”を聴いても、同じような印象を受けてしまう点が難点です。



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