更新日 1999年 11月 3日  English is here.


詩想空間 / 探



    いつの頃からか歩きつづけていた
      見えていて決して至ることのない出口に惹かれて
      岩を踏みしめ雫を首筋に受けぬめる壁に掌を預けながら
    たまに現れる日差しも風も気まぐれで
      その度に心は乱れてやがて黙りこみ
    いつの頃からか歩きつづけている

    シーンファイル:lpcrcave.txt

洞窟  [75k] 1999.10 by Tsutomu Higo


    それは一見霧が立つのかと思われたが
      それは沢筋に沿いむくむくとうねりながら昇ってきた
    もはやすでに地平は人の汲み上げしし毒煙に厚く覆われ
      もはやいまに山間はその触手に犯され

    シーンファイル:lpcrvaly.txt

峡谷  [41k] 1999.10 by Tsutomu Higo


    青きもの渦巻くなかに
      それは赤き配列を守ろうとしていた
    落ちゆく魂の道程を示すが如くに
      至りしところ既に崩壊し尽くしてあるに

    シーンファイル:lpcrguid.txt

誘導  [98k] 1999.10 by Tsutomu Higo


    緑濃き大地とそよぐ風やさしき雨に育まれし我等の地
      それも熱き地殻のうたかた表皮の装いに過ぎず
    深きところ赤く力を貯めて暫しのまどろみ
      人知れず裂目現れうたかたを追う我等を笑う

    シーンファイル:lpcrcrac.txt

裂目  [40k] 1999.10 by Tsutomu Higo


    星に満つ虚空に漂う球体の上
      酸化鉄吹きすさぶかの地
    それは夢人をいざなう地
    遥かなる時の先のフロンティア

    シーンファイル:lpcrmars.txt
    (このイメージの星空もcrackleで、No AAでなくともAAででも同様の星空に描けます、他の方法に比べごく自然な印象になると思います)

惑星  [32k] 1999.09 by Tsutomu Higo


    空といえども場を生じて歪み穴を穿つ
      盲腸の如く小さく沈黙して在るのか
      胃穿孔の如く総身を悶えさせるか
    小さくともそれはそれ、存在

    シーンファイル:lpcrhole.txt

歪穴  [36k] 1999.10 by Tsutomu Higo



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