12月2日に私のお人形の展覧会を開きました。不思議で、面白い出会いが色々ありました。
優しい人の手から手へ

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−−− 100年を生きた人形達 −−− 2001年12月2日(日)
弘前市土手町ルネス街2F
10:00am-6:00pm

親友のKazuちゃんがこの日のためわざわざ
青森から泊りがけでお手伝いに来てくれた為、うれしくて、
前日1日(土)は夜11時まで居酒屋で飲んでしまった。。。
朝7時から会場設営のつもりが7:30am会場入り。でも
精鋭の友人達のおかげでエントランスはこの様に。


シンプルな外観。オブジェとお花は、友人のHiromiちゃんと
Yukaちゃんの作品。ほとんど無い予算で
ボランティアでプロのお仕事をしていただきました。
私の好みをよく知ってくれているので、まかせて安心。
準備もなんとか整い、来場者を待つ、嵐の前の静けさ。
よくここへ辿りついた。。。とうれしい。みんな、有難う!


エントランス用に選んだのは、めずらしいマルクのリプロ。
洋服はもちろんこの日の為のフォーマル。
アクセサリーも本物。ダ、ダイヤです。。。「いつ、買ったの?」(夫談)
高校生達にとても人気がありました。
マルクはフランスの彫刻家だったようで、ビスクの数は
本当に少なく、本物はお家一軒買える程のお値段だそうです。



入ってすぐから奥のほうを見たところ。奥に行くにしたがって
年代が古くなるよう、レイアウトしました。
説明のパネルも全て手作り、夫に感謝です。
この妻は、あーだこーだ言うばっかりで
自分では、やり方が解らない人です。
しかも、色や配置やデザインには、やたらうるさい。。。



2001年、今年知り合ったアメリカのお人形友達
スーザンからのプレゼント。
右は自分で窯をもっているので、それで焼いた自作の小型のビスクドール
左はアンティークのドールハウス用のお人形。
奥の説明パネルの写真は、彼女が工夫して作った
連獅子と、コレクションしている日本人形。
私はアメリカの物を集め、彼女が日本の物を集めている不思議。



手前のぬいぐるみはお願いして出品してもらったもの。
1960年代のShizueさんの手作りの作品です。
古着利用の、とても味のある、大好きなぬいぐるみです。
Shizueさんは60?歳で私の英語の生徒さんでした。
今は、お嬢さん(と言っても40代)とお孫さんが来てくれています。
高校生のお孫さんのChieちゃんが
「いつもの見慣れたぬいぐるみが、とても素敵に見えました」
とノートに感想を書いてくれました。人気ありました。


左側は、これも招待展示です。大正、昭和初期の
素晴らしい刺繍の半襟を利用して作った
羽子板、蛤、タペストリーです。
私の生徒のYukoさんのお母様の形見の品で
ご縁があって、手仕事の好きなかたに半襟を差し上げたところ
お返しにこの品がYukoさんのもとへ作品となって帰って来ました。
病気を克服された友人のKushibikiさんとのジョイント(古布の花、川柳)
展示をしていただきました。圧倒的な手仕事のリレーです。


市松さんコーナーです。娘のお雛様の金屏風を使いました。
右のケースの昭和初期の市松さんは友人の
Tomokoさんの箱入り息子ちゃんです。
ちいちゃいながら、大島紬の着物なのですよ。
可愛いんだから、良いものを着せるの当然でしょう。
私がつくりました。頭使って、もう大変でした。
女の子は、言わずと知れた拾い物。男の子は
由緒ただしき滝沢光龍斎、まめ市松はいただきもの。


今回、とても力を入れた、コンポジションのコーナー。
昭和2年の青い目の親善人形の説明と写真です。
横浜人形の家で手に入れた本に書いてあった
青森に現存するという全てのお人形の写真と、説明を
同時代の私のお人形と一緒に展示することが出来ました。
校長先生や、園長先生にも来て頂くことが出来ました。


特に、青柳小学校のメリーアンちゃんを取材に行った折、
メリーアンちゃんが年中、毛皮の付いた地味なコート姿であるのを
副校長先生が気にしていらっしゃる。。。と聞いて
「私にお洋服、プレゼントさせて下さい」と
思わず申し出てしまいました。
真中の箱に入った古いきれいな銘仙で作ったものがそれです。
可愛いピンクのお花のいっぱいついたボンネットも作りました。


展示会が終わって、英文のお手紙をつけて
青柳小学校のメリーアン宛に送りました。
12月も押し詰まって、校長先生から一通のお手紙を頂きました。
ただ一度だけ目にしたメリーアンです。[定規]で寸法を採っただけでした。
作ったあとで、本当にこのサイズだったか。。。と心配でした。
でも、そのお手紙には、私のドレスを着てくれたメリーアンの写真と、
サイズがぴったりだった事、4年生が総合学習で
メリーアンの本を作ったこと、


全校朝会で私の洋服が届いた事をお知らせ頂いた事、
代表の生徒たちの礼状、
裏にはそのドレスを着たメリーアンの可愛らしい絵と
担任の先生と4年生12人全員(可愛らしい学校でしょう?)の
私へのお礼の言葉が書いてありました。
何より殆どの子が「私も洋服作ってみたい」と
書いてくれていることがとても嬉しいことでした。
私の宝物になりました。


小さいお人形を私はこんな風に部屋で飾っています。
下の段の真中は今回お花を活けてくれたHiromiちゃんが
スペインに言った時、サグラダファミリア大聖堂のショップで
買って来てくれた、プチコランのリプロの赤ちゃんです。
裸んぼうでしたので、超ゴージャスな赤ちゃん服を作りました。


和製ビスクと、ドイツ人形のコーナーです。
替えのお洋服、帽子も展示してあります。
目が壊れるという災難にあったケストナーちゃん
皆さんに沢山説明いたしました。



ケストナーちゃんと、マルセルちゃん。
マルセルちゃんは、本当に見映えのするお人形ですよ。
バランスがいいんですねー。
誉められました。




今回の目玉です。テートちゃん。
わざわざ青森市から来ていただいた方もいました。
これが、テートちゃんの「今のところ」の
全ワードローブです。
今回の展示会用に杉綾のツィードのスーツ、
レースのブラウス、そして一番の自信作
赤の革編み上げブーツを作りました。

残念ながら写真ではディテールがよく出ていませんが
大満足の出来です。
ブラウスは、元私の生徒だった女性にウェディングドレスを
私が作った時の、残りをもらったもので作りました。
特別、思い出深い布です。
今年、彼女はつらい経験をしています。


少しでもなぐさめたい。。。と思いました。
今回必ず使おう、と心に決めていた素材です。
会場にご主人と一緒に来てくれました。
来年こそ、二人にとって良い年である事、
その願いを込めてあります。
テートちゃん、お願いね。仲良しの二人を見守ってあげてね。


今回のいちばん人気は、やはりテートちゃんでした。
そのビスクの美しさ、なめらかさに、皆さん圧倒されたようです。
気品、気高さ、110年を生き延びてきた強さです。
美術館の様にガラス越しでなく、じかに見て頂くことが
今回の一番の目的でした。そして勿論無料でです。
「素人の手作りだろう。。。ぐらいに思って来たところ
あまりの凄さにカメラを持って、また来ました」
と言ってくださった方もいました。去りがたそうにしていたお母さんも。
忙しい日常の中の、贅沢な異次元の空間だったようで
それこそ、私の意図したものです。
そして、古いものを愛しみ、生かすという事。
古いものは「気持ち悪」くなんか無いという事。
それを知ってもらいたかったのです。



ぜひ、もう一度。。。という声もあります。
一日、お昼食べる時間も無く、立ちっぱなしで説明させていただき、
300人を超える方に見ていただきました。
何より、ごらんの精鋭達がいればこそ
私の我侭いっぱいのものが出来たのです。
ずっと自分は一匹狼だと思って来ました。
人に頼み事をするのも嫌な人でした。
元生徒たち、現生徒たち、
私にとって何より、可愛い子、人達です。
そして、友。
こんな私の為に、沢山集まってくれました。
今は、ただただ素直になって、「有難う」。




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