共通課題(ウ)に関する模範解答集
1、始めに
昨年受験前に、専技受験研修に参加していただいた模範解答集の中で受験体験記的なレポートが大変参考になった経験から、その部分も含めてレポートしたいと思います。
2、受験を決心した動機
「40歳までには1回ぐらい受験しよう」と漠然と考えていたのが、「よし、受けてみよう」と決心したのは、同期のH・T君の専技試験合格を知ってからでした。やはり身近な人ががんばって合格した姿を目の当たりにすると、自分もがんばってトライしてみようと考えるようになったのでした。
3、専技受験研修までにしたこと
@どの専門分野で受験するかの検討・・・過去の問題を見ながら、自分の取り組んできた普及活動
と照らし合わせて、比較的取り組みやすい分野を選んだ。自分の場合は「工芸作物及び雑穀」を選択した。問題(ア)(イ)の設問にパターンがあって勉強しやすいと考えた。
A解答事例の検討・・・先輩普及員の方が前年同じ部門で合格していたので、参考資料をいただき、
これを参考にしながら模範解答の練習をした。
B専門用語の勉強・・・作物学、バイテク関係の参考書で専門用語の勉強をした。
4、専技受験研修後にしたこと
@問題(ウ)の解答事例の検討
問題(ウ)について研修資料を活用した勉強を行った。○○県農業の現状と課題、○○地域農業の現状と課題、○○市農業の現状と課題についてそれぞれまとめた。
過去の問題を模範解答を作成して勉強した。
A模範解答の添削
問題(ア)(イ)(ウ)の解答事例についてそれぞれ専技に添削をお願いして勉強した。
5、合格したのはなぜだろう?
正直言って、合格するとは思ってもいなかった。ラッキーだったのは、模範解答を勉強した問題(ア)(イ)のパターンが本年の問題と同じだったことである。おかげで本番では、頭に入っていた内容をそのまま答案用紙に書き込むことができた。今合格できた要因はと聞かれたら一番にこのことを上げたい。であるから、どの受験項目を選択するかという部分が重要だったなと思う。
(ウ)模範解答
(ウ)ー1(1P+25行)
解決が困難な課題について専技の直接指導がOKである。と前置きした上で、
(1)普及員の立場
@指導前には・・・課題を十分に検討しておく、農業者の質問疑問を十分に把握しておく
A指導時には・・・農業者のサポート役として振る舞うこと
(2)農業者の立場
@指導前には・・・普及員に問題点、困っている点を全て明らかにしておく、質問点を整理しておく、事前に普及員と解決方法について検討する、
A指導時には・・・疑問点を残さないよう積極的に質問する、
(3)専技の立場
@指導前には・・・普及員から現地の現状を十分に聞いておき問題点を良く理解する、必要な情報を整理しておく、
A指導時には・・・指導手段を効果的に使いわかりやすい言葉と行動で指導する、普及員の立場を尊重した行動をとる、
以上のように三者に分けてそれぞれ指導前・指導後のあるべき姿勢について書き、まとめ的に
三者がそれぞれの立場を理解し、お互いを尊重した態度で対応することで、自ずからあるべき三者の関係が築かれると締めくくった。
(ウ)ー2(2P+12行)
(1)取り組んだ課題
シュッコンカスミソウの栽培技術の普及
(2)取り組んだ理由
転作作物を探していた。花卉栽培が注目を浴びていた。
(3)成果の要点
@カスミソウの定着
戸数は減少したが(25戸→15戸)販売金額は増加した(600万円→7000万円)
A作期の拡大
当初、5月〜7月定植、8月〜9月採花であった。電照栽培導入で6月〜7月採花、加温電照栽培導入で5月採花、加温秋切り栽培導入で10月〜11月採花。
B品質の向上
電照栽培と加温電照栽培の導入で、茎の軟弱化が防止され越冬切り花の品質が向上した。加温の実施で秋切り花の黒花の減少と切り前の改善がなされ、品質が向上した。これにより、ほとんどが予約で取り引きされるようになった。
C他作目への波及効果
ハウス導入の機運が高まり、軟白長ネギ栽培の取り組みが始まった。
(4)成果を得るに至った要因
@農業者が水田転作に何を作るか探していた(要求があった)
A普及センターが一体となって指導に当たった。
B町・農協の協力・・・町は3年間の予算付け(苗代の補助)、農協は試験用ハウスの設置、生 産組合助成
C地区としてまとまりが良く、若い農業者が多かった。研修意欲が高く、市場研修を年間3回(地元市場、東京)実施し、全員が順番に参加するようにしていた。
D補助事業の積極的活用でハウスの導入を図った。
E共選共販体制をとり、会員自身で等級付けを行い、良いものを見て作る努力をした。
以上のようなことを整理して書き、まとめとして
成果が上がったのは、農業者の新しいことに取り組む意欲が高かった事が一番の要因であり、あわせて関係機関が連携をとりバックアップしたことが要因と考えられる。
のようなことを書いた。
以上問題(ウ)について、問題用紙に書いたメモを参考に書いたのですが、記憶がかなり曖昧です。3年計画で考えていたのが、幸運にも1年目で合格したのは、先にも書きましたがラッキーだった部分が大きかったと、今でも思っています。ただ、例題として、(ア)(イ)については平成7年度の問題、(ウ)については平成8年の問題を選び、模範解答を作成して専技の添削をうけ、何度も書き直して勉強したことは事実であるので、少しは自分の努力のたまものという部分もあるのかなと思っています。
いずれにしても、傾向と対策を練ることは受験に対する心構えとして大切なことだと思います。