専技試験過去問(乳牛及び肉用牛)




平成8年度
平成9年度
平成10年度
平成11年度
平成12年度

平成8年度

課題(ア)

次の課題から1つを選んで答えなさい。
1.乳用牛個体識別の今日的意義と好ましい識別方法について論じなさい。

2.収益性向上の観点から肉用牛飼養農家への技術指導事項について述べなさい。

課題(イ)

次の課題から1つ選んで答えなさい。

1.最近における濃厚飼料価格変動の要因を、あなたはどのように分析し、酪農家の指導にどのように活かしていますか。酪農家の反応も含めてあなたの指導事例を記述しなさい。

2.全国各地で肉用牛の銘柄作りに取り組んでおりますが、あなたの地域の実態、そのよってきたる背景と問題点及び今後の改善方法を述べなさい。

共通課題(ウ)

1,あなたの考える「期待される普及員像」を具体的に述べなさい。
2,あなたの地域の農業・農村生活の実態から、重要な課題をひとつ取り上げ、専門技術員に望まれる援助活動について具体的に述べなさい。

平成9年度

課題(ア)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1、昨年、国は平成17年を目標年次とする酪肉近代化基本方針、家畜改良増殖目標を相次いで公表し、目標を達成するためには乳牛の能力の向上が重要なことを強調しました。
それに対応して、多くの都道府県でそれぞれ計画が策定されました。乳牛改良が強調される今日的な意義と、具体的な推進方策について述べなさい。

2、国内における牛肉生産は品種別には和牛、乳用種および交雑種が主体ですが、それらの相互の関連を視点において、問題点を述べなさい。

課題(イ)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1、酪農経営の大型化が進んでいますが、失敗事例も少なくありません。あなたの指導事例を通じて、酪農経営の規模拡大にあたって注意すべき諸点について述べなさい。

2、肉用牛の改良増殖や、高品質牛肉の低コスト生産のために、体内および体外受精卵移植が推進されて相当な年数が経過しましたが、あなたの担当する地域での実態、推進するうえでの問題点とその改善方向を記述しなさい。

共通課題(ウ)

1,専門技術員は直接農業者に対して普及活動ができることになったが、そのような条件を踏まえて、農業者、改良普及員、専門技術員の三者の関係についてどうあるべきか、あなたの考えを述べなさい。

2,あなたが取り組んだ農業・農村生活上の課題(普及・研究・教育・行政いずれでも可)の中の一つについて、取り組んだ理由と成果の要点を述べるとともに、その成果をえるに至った要因を挙げなさい。

平成10年度

課題(ア)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1、近年、フリーストール、ミルキングパーラー、TMR、ステージフィーディンクを組合わせた飼養管理システムによって、高位生産を果たしている経営がある一方で、そのシステム構築、運用に大敗している事例も少なくありません。
そこで、これら施設あるいは部分技術の特性とあなたの地域において運用する場合に特に注意すべき問題点について述べなさい。

2、わが国における肉用牛の育種改良体制は、乳用牛のそれが全国べ一スで行われているのと異なり、主要県単位で行われている。このことによる利害得失と改善方向を論じなさい。

課題(イ)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1、乳牛の耐用年限が次第に短くなり、生産性を低下させているという指摘がありますが、あなたは現状をどのように認識していますか。あなたの指導事例を通じて、要因及びその対策について述べなさい。

2、肉用牛の肥育経営は'素牛導入から出荷までに1年以上の永い期間を要しているが、あなたが行った経営指導を通じて得た具体例をもとに、経営を安定的に継続して行う上での問題点と改善策を述べなさい。

共通課題(ウ)

(1)女性農業者の活動事例をあげ、男女共同参画の観点から、その活動を助長するためにはどのような配慮が必要か述べなさい。
(注釈:取り上げる活動事例及び男女共同参画の観点については、農業経営に係る個々の活動に関するもの、又は農業・農村生活に係る地域活動に関するもののどちらでも良い。)

(2)あなたの地域(都道府県又は活動地域)における農業・農村生活上の重要と思う課題を一つとりあげ、その解釈のために望まれる専門技術員の活動について具体的に述べなさい。

平成11年度

課題(ア)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1、遺伝的に同一な個体を人工的に生産する技術として,分割胚双子,受精卵クローン,体細胞クローン等が考えられるが,各技術の特徴,乳牛又は肉用牛改良上の有用性及ぴ普及上の留意点を述べなさい。

2.平成11年3月に決定された「新たな酪農・乳業対策大綱」において,「家畜改良の推進」が改革を進めるための条件整備の重点課題として位置づけられた。この対策大綱に盛り込まれている乳牛改良のために取り組むべき具体的事項について,21世紀の我が国酪農を見据えてその意義と効果について論述しなさい。

課題(イ)

次の2課題から1課題を選んで答えなさい。

1.従来から悪臭,水質汚濁等が畜産経営に起因する環境間題として指摘されているが,近年地下水や河川等の汚染も問題になっている。酪農経営におけるふん尿等の処理・利用について,あなたの地域(都道府県)での実態,指導事例を通じて得た課題・対策と成果及び今後の指導方向について述べなさい。

2.地域の農業生産振興に肉用牛を取り入れることは非常に有意義である。あなたの地域(都道府県)でその典型的事例について,概略及びあなたが指導した事項を記してから,肉用牛取り込みの長所と短所及ぴ今後の指導方向について述べなさい。

共通課題(ウ)

(1)今後普及事業の対象者及び課題の重点化が一層進展するものと思われます。このような状況のもとで普及活動は地域農業にどのように関わるべきか、あなたの考えを述べなさい。

(2)あなたの地域(都道府県または活動地域)における農業・農村生活について、重要と思われる課題を一つ取り上げ、それを解決するために普及活動をどのように進めるか具体的に述べなさい。

平成12年度

課題(ア)
次の2課題から1課題を選んで答えなさい。
(1)乳牛に分娩時及び泌乳ステージの初期に特異的に多発する諸種の疾病(いわゆる周産期病)を防ぐことが経営の決め手であると言われますが、栄養生理学的な観点からその発祥要因について述べ、合わせてあなたの地域の現状に照らし飼養管理上特に注意すべき要点について述べなさい。
(2)本年度より肉用子牛価格安定制度の中に交雑種が新たな区分として取り入れられたが、我が国の牛肉生産に占める交雑種の現状と今後の交雑種生産のあり方(どの程度が妥当か、経営としての損失等)について述べなさい。

課題(イ)
次の2課題から1課題を選んで答えなさい。
(1)周年拘束性の強い酪農にあっては、ゆとりの創出が一層求められ、一方、生産性の向上も喫緊の課題となっています。これらを両立させるためにあなたはどのような指導を行っていますか。指導事例を中心に記述しなさい。
(2)近年、肥育経営において輸入粗飼料(稲ワラ等を含む)に依存する経営が多く見られますが、その背景と問題点を整理し、あなたが指導した自給粗飼料(稲ワラ等を含む)利用の取り組みから工夫して問題解決につながった事例を述べなさい。

共通課題(ウ)

(1)最近の社会情勢の変化に対応して、普及事業における農業及び生活上の課題を解決するための総合的活動が求められています。
 これを進めるにあたり、どのようなことに留意すべきかあなたの考えを述べなさい。

(2)あなたの地域(都道府県または活動地域)の農業または農村生活について、重要と思われる課題を一つ取り上げ、その内容を説明し、課題解決のための具体的方法を述べ、また、その課程において専門技術員に期待される役割を述べなさい。


※ア、イのテキストデータについては久保勝照さんから提供していただきました。ありがとうございます。