専技試験過去問(農業経営)


平成6年度
平成7年度
平成8年度
平成9年度
平成10年度
平成11年度
平成12年度

平成6年度

課題(ア)

1.次の二つの用語の相違点を的確簡明に指摘しなさい。
 (1)農場規模と農場経営規模
 (2)生産費と経営費
 (3)経営診断分析における直接比較法と標準比較法

2.新開発技術の普及指導に関し、「技術の経営的評価」ということがいわれます。
 しかし、これは単に試験場開発技術を経済計算して一方的に普及におろすことではありません。現場営農に即した経営改善の立場から、あなたは経営的評価をどのように行って新技術の導入を検討しますか?

課題(イ)

 「新しい食料・農業・農村政策の方向」の農業政策において、経営体の育成がうたわれている。農業経営専門技術員の立場に立ったつもりで、あなたの都道府県における経営体の育成について所見を述べなさい。

共通課題(ウ)

1,今後の農業・農村の動向に照らして、あなたの考える農業者像を述べなさい。
2,普及指導活動上の課題一つを取り上げ、その内容を説明し、課題解決のための具体的方法、及びその課程において専門技術員に期待したいことを述べなさい。

平成7年度

課題(ア)

1.次の二つの用語を簡単に説明し、相違点について簡明に説明しなさい。
 (1)生産費と経営費
 (2)利益と利潤

2.農業経営における経営管理では経営計画を立て、計画にもとづいて経常管理することが重要です。この場合の経営計画の立て方を経営方式例で簡潔に記述しなさい。

課題(イ)

 農業経営基盤強化促進法によって「認定農業者制度」(農業経営改善計画認定制度)が確立されました。この「認定農業者制度」の意義について、あなたの考えを述べ、農業経営専門技術員として、認定農業者の経営改善計画実現のための支援策を述べなさい。

共通課題(ウ)

1,最近の情勢のなかで、農家が主体となって農業・農村を活性化した事例をあげ、その展開過程と要因について述べなさい。
2,専門技術員の役割をあげ、あなたが専門技術員になった場合、地域(都道府県)の実状に照らして、どのようなことに重点をおきたいと考えるか、具体的に述べなさい。

平成8年度

課題(ア)

1.経営診断の指標には収益性指標、安全性指標、技術診断指標があるが、このそれぞれについて、主要な診断指標項目を5項目あげ、指標値算出の方法を述べよ。技術診断指標については対象経営(酪農、養蚕、果樹、水田作など)を設定して記述せよ。

2.次の用語の相違点を簡明に指摘せよ。
 (1)一般農業法人と農業生産法人
 (2)個別経営複合化と地域農業複合化

課題(イ)

 平成5年6月に「農業経営基盤強化促進法」が施行されたが、その中に「農業経営改善計画認定制度」(認定農業者制度)が設けられた。この制度の意義および認定農業者の改善計画実現に必要な援助について延べよ。

共通課題(ウ)

1,あなたの考える「期待される普及員像」を具体的に述べなさい。
2,あなたの地域の農業・農村生活の実態から、重要な課題をひとつ取り上げ、専門技術員に望まれる援助活動について具体的に述べなさい。

平成9年度

課題(ア)

1.減価償却の計算方法における定額法と定率法の特徴について延べなさい。

2.土地利用型農業については農地の流動化を進めることが急務となっていますが、土地 利用権を土地所有権から分離して流動化をすすめた優良事例について、その特徴及び普 及の可能性について延べなさい。

課題(イ)

 現在農業基本法の見直しがすすめられていますが、個別経営または地域農業の発展を図る上でもっとも重要と考えられる経営政策課題をいくつかあげて説明しなさい。

共通課題(ウ)

1,専門技術員は直接農業者に対して普及活動ができることになったが、そのような条件を踏まえて、農業者、改良普及員、専門技術員の三者の関係についてどうあるべきか、あなたの考えを述べなさい。

2,あなたが取り組んだ農業・農村生活上の課題(普及・研究・教育・行政いずれでも可)の中の一つについて、取り組んだ理由と成果の要点を述べるとともに、その成果をえるに至った要因を挙げなさい。

平成10年度

課題(ア)

1.固定費と変動費の主な費目を列記し、この費用分類の意義を説明しなさい。

2.農業金融における制度金融と系統金融の役割について延べ、さらに現在注目されている経営体育成総合融資制度(農業経営基盤強化資金、農業経営改善促進資金)について、その概要ならびに管内の実例に即して融資上の課題について述べなさい。

課題(イ)

 現在、我が国ではWTO体制のもとで農産物輸入の拡大が行われています。一方、食糧安保や国土保全の視点から農産物自給率の拡大を望む声も高まっています。このような多様な社会・経済的環境の中で、地域の農業生産力を維持・発展させるために、農業の担い手となる個別農業経営と地域農業の今後のあり方と発展方策について、主としてあなたが関係している対象地域に即して簡潔に述べなさい。

共通課題(ウ)

(1)女性農業者の活動事例をあげ、男女共同参画の観点から、その活動を助長するためにはどのような配慮が必要か述べなさい。
(注釈:取り上げる活動事例及び男女共同参画の観点については、農業経営に係る個々の活動に関するもの、又は農業・農村生活に係る地域活動に関するもののどちらでも良い。)

(2)あなたの地域(都道府県又は活動地域)における農業・農村生活上の重要と思う課題を一つとりあげ、その解釈のために望まれる専門技術員の活動について具体的に述べなさい。

平成11年度

課題(ア)

1.一般に企業経営では、財務分析の安全性指標として自己資本比率が使われています。この計算式を記し、この指標の持っている意味を、経営の安定性と発展性の両面から説明しなさい。

2.普及事業の現場では、認定農業者の経営計画など、経営計画策定にかかる支援業務が多くなっています。その場合、形式だけではなく実効性のある経営計画を立てることが重要です。では実効性のある経営計画とはどのようなものか、あなたの見解を具体的な経営類型を取り上げて述べなさい。

課題(イ)

 「普及事業の今後の在り方に関する研究会報告」では、今後の農業の展開のために育成すべき人材として、一方では農業の担い手となる人材と、他方では地域農業のまとめ役となる人材とが対象とされています。この両者が連携して地域農業を支えるための方策と、このために農業改良普及センターの果たすべき役割について具体的な事例をあげて述べなさい。

共通課題(ウ)

(1)今後普及事業の対象者及び課題の重点化が一層進展するものと思われます。このような状況のもとで普及活動は地域農業にどのように関わるべきか、あなたの考えを述べなさい。

(2)あなたの地域(都道府県または活動地域)における農業・農村生活について、重要と思われる課題を一つ取り上げ、それを解決するために普及活動をどのように進めるか具体的に述べなさい。

平成12年度

ア−1 減価償却の計算方法における定額法と定率法の特徴について述べなさい
ア−2 耕作放棄地の増大が懸念されている地域で、農用地の有効な利用を図るための実効ある地域営農モデルを策定するにはどうすればいいでしょうか。

イ 花を作っている農家が、「国は農政の大きな問題として食料の自給率の増大を掲げている。その際私たちのやっていることはどう位置づけられるのか」と疑問を投げかけています。この農家にどう説明したらいいと考えますか。

共通課題(ウ)

(1)最近の社会情勢の変化に対応して、普及事業における農業及び生活上の課題を解決するための総合的活動が求められています。
 これを進めるにあたり、どのようなことに留意すべきかあなたの考えを述べなさい。

(2)あなたの地域(都道府県または活動地域)の農業または農村生活について、重要と思われる課題を一つ取り上げ、その内容を説明し、課題解決のための具体的方法を述べ、また、その課程において専門技術員に期待される役割を述べなさい。



農業経営の過去問ア、イのテキストデータについては神奈川県の北見専技から提供していただきました。ありがとうございます。