冬の薔薇

絶対の休止へと下って行く季節の斜面で
最後の花はひどく色あせて小さかった

雪降る日 決断のハサミが細枝を払う
赤い芽を残し 紫色のおさない葉は摘み捨てる

毛を刈られた羊というより 牙を剥く狼
冬の薔薇はたくましく凶暴な裸身をさらす

一株ごとに ふしぎな異国の名をもった
灌木たちは やがての初夏を待ち遠くする

取り巻いて掘った溝の縁にしゃがんで 庭師は
腐葉土 油粕 とりわけ骨粉を施すのだ。