ある結婚問題

すべての力が衰えに向かうとき

肉色の牢獄が私を閉ざす

王宮の主人イコール囚人

私のまわりにはお妃も道化もいない

大膳頭(だいぜんのかみ)さえいない



ここでは私は食べず 眠らないのさ

だからというわけでもあるまいが

ふしぎな目覚めの中で 寝巻のまま

町や村を抜けてかぎりなく旅をする

私には苗字(みょうじ)がない

もし恋人をみつけたら

よろこんでその女のむこになろう・・・
私はあなたの無数の噴火口が大好きだ

婿入りの荷物はぼくの読まないすべての本

ぼくのまらわないすべての勲章を飾って

(また悪いくせのないないづくし)

仲人の雲さんが途中で消えてしまったので

立ち消えになった結婚の

むだになったご馳走を食べにゆきたい!
彼女は嫌がる
白くてまるく光り輝く顔の夜の女王よ
たとえルナティックと呼ばれても