ホールの壁に掛け並べた油絵だ

同じようなタッチの抽象画を

ぼんやりした人影たちに混じって観る

ひそかな喜びのようなものが

一枚一枚の構図から湧き出すのだ

それから大きな手が書き割りをめくる



               


                        next