第25週 受動態



え〜、では今日は、受動態です。受動態。受け身。
「・・は・・によって・・される」ってな奴ですね。

え〜と、英語では、受動態は、 be動詞プラス過去分詞でしたよね?

(・・・・・・)

(あ、あの・・・(^^;))

それに対して、ドイツ語では、werden と過去分詞で作ります。


werden + ------------------ + 過去分詞 
 (定形)


言うまでもなく、werden は定形、つまり人称変化した形になり、過去分詞は文末に置かれることとなります。

それでは、実際にやってみましょう。


Die Polizei verhaftete den Dieb.
→ Der Dieb wurde von der Polizei verhaftet.


え〜、「泥棒は警察に捕まった」というわけですが、受動態の文を作るには、まず、元の文、っていうか対応する能動態の文章の目的語、4格のものを受動態文の主語にします。( den Dieb → Der Dieb )

そして、動詞を、werden プラス過去分詞にします・・ werden の人称変化は、わかってますよね?(^^;)

(・・・・・(^^;))

過去形にする時は、werden を過去形にすればいいです。この例は、wurde 、過去になってますよね。

それから、元の主語を、von 3格の形にします。von は、3格支配でしたね?( Die Polizei → von der Polizei )
場合によっては、von 以下は、省略してもかまいません。

今、元の主語を von で、と言ったけど、原因となったものなどは、durch 4格で表わします。


Das Erdbeben zerstörte die Stadt völlig.
→ Die Stadt wurde durch das Erdbeben völlig zerstört.


「その町は地震で完全に破壊された」というわけですね。

え〜、なんで受け身、受動態という言い方があるのかといいますと・・そんなこと、考えたことある?

(・・・・・(^^?))

例えば、「Aさんが車にはねられた」という言い方と、「車がAさんをはねた」というのとでは、大分、感じが違うでしょ?普通、友達だったりしたら、「Aさんが車にはねられた」っていうよね?「車がAさんをはねた」なんて・・ちょっとヘンでしょ?(笑)

(・・・・・(^^;))

ま、だからなんていうか、実際に起こっている現象は同じでも、話す人の関心のありようによって、いろんな言い方が選べるんですよね。この場合、Aさんのことを気にかけているんだったら、Aさんを主語にして言うのが普通なんじゃないでしょうか。
受動態という言い方があることによって、まあ、その選択肢が増える、とでも思っておけばいいんじゃないでしょうか・・。

ところで、受動態の助動詞に使う werden ですが、sein 支配ですので、完了形には sein を使うわけなんですが、過去分詞は、worden となります。ge が付かないんですね。


Der Dieb ist von der Polizei verhaftet worden.


なお、ドイツ語で、受動態の主語になるのは、元の文の4格のみです。英語なんかでは、3格もOKなんですけどね。つまり、 Maria schenkt ihrem Vater eine Krawatte. 「マリアは父にネクタイを贈った」なんて時に、受動態にして主語にできるのは、Krawatte 、ネクタイだけです。

(英語では、 John gave Mary a book. → Mary was given a book. / A book was given (to) Mary. と、(ドイツ語風の3格に当たる)Mary も、(4格に当たる)a book も、主語になるんでしたよね)

また、自動詞を受動態にすることもできます。


Man hilft ihm nicht.
→ Es wird ihm nicht geholfen.


「彼は助からない」なんて言う時ですね。
不特定の人々を指す man は、受動文ではなくなり、形式上の主語の Es を使います。この Es を省いて、他の言葉を文頭に持って来ることができます。


Es wird ihm nicht geholfen.
→ Ihm wird nicht geholfen.


それから、状態受動と呼ばれるものがあります。
状態受動というのは、sein と他動詞の過去分詞で作られ、「・・されている」といった受動の結果を表わします。


動作受動Die Tür wird um sieben Uhr geöffnet. ドアは7時に開けられる。
状態受動Die Tür ist geöffnet. ドアは開いている。


つまり、ドアが6時に「開けられ」て、その結果、ドアは、「開いている」わけですね(笑)

状態受動は、sein と過去分詞で作るので、sein 支配の完了形と紛らわしいかも知れませんが、状態受動になるのは他動詞だけですので、そこで区別がつくかと思います。

(それと、例によく出て来るのは「開ける」「閉じる」系の言葉が多いです(笑))

以上で、受動態のところは、よろしいですか・・。