第14週 es gibt 構文と命令形



え〜と〜、前回、不規則な人称変化のところで、e が i になるもの、というのを挙げたと思いますが、そのひとつに、geben というのがあります。
で、この geben を使って、es gibt と、その後に4格の名詞が来て、「〜がある」という意味になります。


es gibt + 4格 〜がある 

辞書を引くと、「存在する」なんて書いてある場合もありますが、まあ、「ある」でいいです(笑)英語の there is, there are 構文みたいなものですね。
geben は、もちろん、英語の give ですから、「与える」という意味があります。で、es gibt を、それは与える、なんて考えてしまうと、訳が分からなくなってしまいます(笑)

(Hier gibt es ... みたいに、es が文頭にないとき、見逃しやすいです。あと、時制が変わったりしている場合も)

こういうのは、さっさと覚えてしまうのが楽ですね。

それから、今度は、命令形について、です。
命令形は、英語でも、Go home! みたいに、主語がない、とか特徴がありましたけど、ドイツ語でも、特有の形があります。

ところで、命令・・って、どういう人にすると思いますか?「こうしろっ!」とかだけじゃなくて、お願いしたりする場合も含めて。

(・・・・・・)

つまり、その場にいるあなた、にするわけですよね。電話や手紙、ということもありますが、まあその場合でも、相手を想定していますよね。
何を言いたいか、っていうと、命令をするのは「あなた」、つまり、2人称の相手を対象にしているわけです。

それで、ドイツ語の2人称は、3通りありましたよね?親称、親しい人に向かって言う、du 、複数の ihr 、それから、あまり親しくない人、敬称のあなたやあなたたち、Sie の3種類がありましたよね。

で、その du を使って話しかける人、ihr で話しかける相手、それから Sie の人と、これらの相手に命令するとき、それぞれ命令の形が違ってます。


命令形
-----enkommen
du -----(e)! Komm!
ihr -----t! Kommt!
Sie -----en Sie! Kommen Sie!


え〜と、ドイツ語の動詞が、-en で終わっていることは、何度も言いましたよね?そして、en を取った部分に語尾をつけて、人称変化する、と・・。
で、du を使って話しかける人に対して命令する場合には、動詞からその en を取って、つまり語幹のみ、あるいはそれに e をつけて、命令形を作ります。
それに、お約束ごととして、エクスクラメーションマーク、「!」をつけてあげます。

(びっくりマークというやつですな(笑))

それから今度は、ihr で話す人に対して命令する場合です。これは簡単(笑)語幹に t をつける、つまり、ihr の通常の人称変化の形そのままでいいですね。

Sie に対する命令は、これはちょっと変わっていて、動詞の不定形・・人称変化していない、辞書に載ってる形に、Sie をつけます。
主語があるのが、紛らわしいですよね。疑問文と、一見同じ形に見えるかも知れませんが、イントネーションが違いますし、また、書いてある文でしたら、クエスチョンマーク、「?」とエクスクラメーションマーク、「!」の違いもあります。

du に対する命令形では、口調によって e が付くことがありますが、特に、人称変化するときに e を付け足したもの、つまり語幹が t などで終わっているものには、e がつきます。


arbeiten
du Arbeite!
ihr Arbeitet!
Sie Arbeiten Sie!


それから、人称変化するときに、du のところの語幹の母音が e から i 、または ie に変わるものがありましたよね?さっきもちょっと話に出ましたが。
それらの動詞は、du のときに、母音が変わります。


sprechensehen
du Sprich!Sieh(e)!
ihr Sprecht!Seht!
Sie Sprechen Sie!Sehen Sie!


(ただし、werden は、 Werd(e)! となります)

また、sein は、特殊な形になります。
え〜と、「静かに!」

(・・・・・!)

なんて言う場合(笑)ドイツ語では、「静かな」は ruhig と言いますが、その例でやってみます。


sein
du Sei ruhig!
ihr Seid ruhig!
Sie Seien Sie ruhig!


以上で、大体、命令の説明をしたわけですが、よろしいでしょうか・・。