今日は、ドイツ語の発音の規則について、説明します。
原則として、ドイツ語は「ローマ字のように」読んでいきます。どういうことかと言うと、ドイツ語では、スペルと発音が、規則正しく対応していて、例えば「a」と書いてあれば、「あー」か「あ」、「u」と書いてあれば、「うー」か「う」と読むということなんです。
英語のときは違いましたよね?
cut cute busy |
英語の場合は、同じ「u」でも、「かっと」「きゅーと」「びじい」と、「あ」とか「ゅー」とか「い」とか、いろんな読み方があって、新しい単語が出てくるたびに、発音を覚えなければならなかったですけど、ドイツ語は、その点はラクです。
「a」と書いてあれば、「あー」か「あ」と決まっていて、その前に来る子音によって、例えば「d」が来たら「だー」、「n」だったら「なー」というように、読んでいきます。
それから、原則として、アクセントは最初、第一音節にあります。・・外来語系の言葉は、違うこともありますが。それではまず、母音から見てみましょう。
母音というのは、なんていうか、声を出すとき、喉から空気がどこにもぶつからずに、例えば、舌とか、唇とかで止めたりしないで出てくる音ですが・・まあ、日本語で言う「あ行」ですね、あいうえお。
a | Name 名前 Mann 男性、夫 |
e | Leben 生命、生活 Ende 終わり |
i | Bibel 聖書 Film フィルム、映画 |
o | Hof 中庭 Gott 神 |
u | Hut 帽子 Luft 空気 |
まず、aですが、これは「あー」か「あ」です。それじゃ、実際に発音してみましょう。Name、なーめ!
(なーめ!)
Mann、まん!
(まん!・・以下同様)
Mann の nn のように、a の後に子音が二つか、あるいはそれ以上続いている時は、「あ」と短くなります。つまり、母音の後に子音が一つだけの時は長く読み、二つ以上の時は短く読むんですね。それは、他の母音でも同様です。
それから、eですが、これは、「えー」もしくは「え」と言います。「えー」は、日本語の「えー」よりは「いー」に近い感じです。口の端を、ちょっと引っ張る感じで「えー」ですかね。
Leben、れーべん、 Ende、えんで。ほら、ミヒャエル・エンデ(Michael Ende)なんて人、知らない?『モモ(Momo)』とか書いた人・・。
それから、i、これも「いー」もしくは「い」ですね。日本語の「いー」よりも、きつく絞った感じになります。Bibel、びーべる、 Film、フィルム・・。
それから、o、「おー」もしくは「お」ですが、口の形ははっきり丸くして言うといいですね。Hof、ほーふ、 Gott、ごっと。
それから、uですけど、「うー」「う」というのは、口をはっきり突き出すようにして、「う」と言います。日本語で「う」と言うときは、口はちょっとだらっとしてますね・・(^^;)
むしろ、日本語の「お」のイメージに近いかも知れません。Hut、ふーと、 Luft、るふと。あの、ルフトハンザ(Lufthansa)って聞いたことない?ドイツの飛行機会社。日本でいう、JALみたいなものかな?ルフトハンザは、今まで落ちたことがないんですよね・・(謎)
えーと、今度はウムラウトです。
ä | Käse チーズ Kälte 寒さ |
ö | Möbel 家具 Löffel スプーン |
ü | Hügel 丘 Hütte 小屋 |
あー・うむらおと(A-Umlaut)は、日本語の「えー」よりも口を広くする感じですね。いいですか、Käse、けーぜ、Kälte、けるて。
おー・うむらおと(O-Umlaut)は、先週も言ったように、口を「お」の形にしたまま「えー」と言います。Möbel、め〜べる、Löffel、れっふぇる。間違っても、「もーべる」とか、読まないようにして下さいね。「え」の音です。
それから、うー・うむらおと(U-Umlaut)は、まずですね、口を尖らせてみる。ちょっとすねた感じ・・(^^;)で、その口のまま、「いー」と言ってみます。いいですか、Hügel、ひゅーげる、Hütte、ひゅって。
それからieと続けて書いてあった場合、これは「いー」と長く伸ばします。
ie | Liebe 愛 tief 深い |
Liebe、りーべ、tief、てぃーふ。
(学生の声・・)
(ねー、「りーべ」って、どっかで聞いたことない?なんだっけ?)
(ほら、なんかさあ、「すい、へい、りーべ、ぼくのふね」とかいうやつじゃない?)
(ああ、そっかー!)
(むむ、元素の周期表・・(^^;))
それから、二重母音です。
ei/ai | Eis 氷 Mai 五月 |
au | Haus 家 blau 青い |
eu/äu | heute 今日 Gebäude 建物 |
eiと書いて、「あい」と言います。Eis、あいす。また、aiも「あい」です。Mai、まい。
それから、auと書いて、「あお」。「あう」よりも、「あお」に近く聞こえるかな?Haus、はおす、blau、ぶらお。
また、euと書いて、これは、「おい」と言います。おい。heute、ほいて。äuも、「おい」です。Gebäude、げぼいで。
(最近、Bräu ブロイ という、ビール?発泡酒でしたっけ?ありますよね・・あ、未成年の方も多いですよね(^^ゞ)
あ、ドイツ語では原則としてアクセントは第一音節といいましたけど、Gebäude の Ge- には、アクセントがないです。
それから、母音の後にあるhは、前の母音を伸ばす、という意味です。
母音+ h | gehen 行く Bahn 軌道 |
gehen、げーえん、Bahn、ばーん。ほら、アウトー・バーン(Autobahn)のバーンです。
(2002年の日韓W杯で活躍したドイツのカーン選手、Kahn と書きます。ah で伸ばしているのですね)
また、同じ字の母音が重なっている場合も、長く伸ばします。
aa | Haar 髪 |
ee | Tee 茶 |
oo | Boot ボート |
Haar、はーる、Tee、てー、Boot、ぼーと。
えー、以上が大体、母音の発音の原則です。