日本のジャズ・スタア達

川畑文子

日本コロムビアがいまだにこの人の単独アルバムを作らないなんていうのは怠慢の 極みだとみんなブーイングの嵐を起こすべきなんだけどね。 まあ、「日本レコード協会」の検索ページで探してみても、「データがありません 」というくらいの認知度の低さだから仕方ないかもしれないが、ここは一つこのサ イトを見ている人だけでも、この戦前最高の歌姫を知ってもらいたい。 あのけだるそうな、もの憂げな、ずれてるような?あの歌声にはまったらもう逃れ られません。特にバートン・クレーンとの「あなたとならば」はやる気のないデュ エットNO・1でしょう。とにかくこの人なしにはなにも話が始まりません。by盲犬

ディックミネ

「ディック」という愛称をこの人が持ったということはあまりにも「名は体を表す 」でねえ……(^_^;)(ここで笑える人はかなりの通です)。 まあ、本当に音楽上でも私生活上でも奔放だったこの人の、最大の不幸はたまたま 一番当たってしまったのが「旅姿三人男」や「人生の並木道」だったことだろう。 おかげでたまにテレビにお呼びがかかってもこの2曲しか歌わせてくれないという ハメになってしまった。 ミネさん、今ごろは天国でさぞかし気分よく「セントルイス・ブルース」を口ずさ んでいることだろう。僕らもいっしょに「ディディディ〜」 とにかく、若いころのこの人の歌を聞いてくれ!これぞ「ジャズ」なんだから。「 ダイナ」「上海リル」すべて最高。 by盲犬

美空ひばり

昭和初期というよりは、時代的には少し後になるが、日本のジャズの歴史を、美空 ひばりぬきに語ることはできないだろう。彼女のことを、僕だったらこう形容する 。 「幻の日本最強のジャズシンガー」。「幻の」とつけなくてはいけないところが何とも歯がゆいところ。正直、彼女の( 歌手としての)資質のどこが演歌歌手なのか僕にはいまだわからない。ただ、彼女 にしてもディック・ミネにしても共通なのは御大ともてはやされ、なんだか知らな いけれど背負うものが大きくなるに連れて歌い方も何だかもったりし、妙にもって まわり、鼻につくようになり(ディックミネの場合はたんに年のせいか?)それこ そ「スウィング」しなくなってしまったということだ。どうもジャズに絶対必要な のは「軽やかな精神」ではないかと思う今日このごろだ。 でも、まだ若いころの、それこそ恐いものなしの、水を得た魚のような彼女のジャ ズをぜひ聞いてもらいたい。「A列車で行こう」を彼女以上に歌える歌手はいまだ に、いや、今後も絶対出てこない。僕らの人生を、ほんのちょっとだけ狂わせてし まったほどの名唱だ。 by 盲犬( Blind Dog)

ミッヂ・ウィリアムス

ミッヂの唄は、とにかくかっこ良いです。歌のうまさ、リズム感はやはり日本人を超えています。どうしても、当時も今も、日本人はリズム感で勝てませんね。たどたどしい日本語で唄っています。昭和九年二月に、来日中に録音したという五曲でしか彼女を知ることができませんが、是非他の曲があれば聞いてみたいですね。数年前に吉田日出子さんが、完全コピーして唄っていました。by Tome

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