mori's Page アクティブサイレンサー
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ルーツブロアの騒音と適用
ブロアは220kw×1台と200kw×2台であり同時には2台稼働する。 ブロア排気は消音器を介して集合チャンバに集められ壁面フードより排気されている。 ルーツブロア排気口からはの60Hz近傍の音が主体で放射されている。 ブロアの発生周波数がほぼ同一であるため干渉によるレベル変動(ビート)が見られる。 1.サイレンサーの構成と構造(装置概要) エラーセンサーと参照入力の位置 参照入力より採取した信号は電気系により処理(空間伝達系の逆伝達関数)され消去音源から放射されるが、このと き電気演算に必要な時間とスピーカの機械的遅れによる時間があり、この時間分に相当する距離に参照入力を消去 音源の上流側に配置する。(図1参照)
参照入力と消去音源間のハウリング防止 参照入力−消去音源間のフィードバックによる発振を防ぐためには電気系による逆伝達関数を持った系を付加し、参 照入力よりフィードバック系信号を取り除くこともできるが、制御装置が複雑になり高価となり実用的でない。このため 演算時間を稼ぐため参照入力と消去音源間にある空間伝達系に吸音材を配置することによりフィードバックの影響を 少なくする。この方法は吸音型パッシブサイレンサーとのハイブリッドとなり源騒音を減らすにも役に立ち、またマイクの 保護にも役に立ち一石三鳥である。 マイク・スピーカーの保護と空気流による乱れノイズの低減 気流がマイクロホンに直接当たると渦が発生し、マイク近傍で空気の乱れによる騒音を発生する。この渦はパワーが 小さく管路内を伝達することは少ないがマイクに対してはおおきな影響を与える。このため参照入力や誤差入力に影 響を与える。このためマイクと気流の間に凹凸のない幕を設ける。撥水処理吸音材を設ける。 管路内に静圧がある場合(下流側の圧力損失)はスピーカは静圧に押され動作点がずれ正常な音圧を発生しないこ とがある。このためスピーカはできるだけ静圧の影響が少ない下流側に取り付ける。 集合配管に適応した場合の問題点 今回排気口の径が大きく平面波領域が非常に低い周波数となり、減音帯域が狭くなる。このため排気ダクトを分割す る。
2.適用 マイクを気流・湿気から守るため400mmのダクトを追加し吸音材の中に配置した。また気流方向の都合上2つのダクト 間中央壁面部に配置した。 図3にアクティブサイレンサーの構造を示す。
3.適応結果(200kw+200kw2台稼働時) 排気口出口でのアクティブ適応前後の周波数分析結果の比較(図4) 排気口ではいずれの稼働時も騒音レベル(A)オールパスで10dBの効果を示した。 1000Hz以上で減音しているのはアクティブダクト内の吸音材の効果である。
複数台稼働時の干渉によるうなりの問題 当初うなり音について適応効果に心配な点はあったが、うなりによる適応の問題はなかった。(図5)
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