- 南郷(なんごう)でバスを下車して沢沿いの林道を歩き始めた。10月にしては暑い日だった。落合橋の手前を下って入渓した。
- 水は冷たくて気持ち良い清流だった。落合橋をくぐると熊倉沢との合流点で、左手の矢沢の方が水量が多かった。矢沢に入って進んだ。最初は緩い流れだった。所々に深い釜が有った。
- ゆるやかに沢を登って行くと、左手が伐採地になり重機を使って木材をトラックに積み込んでいた。重機の下の沢には、たくさんの木が渡され小さな小屋が建っていた。小屋の床下の沢はトンネルのように暗かった。通れるかと不安になったものの、すぐ向こう側が明るく見え、無事通過できた。岸辺のピンクのツリフネソウを見ながら進み、左カーブ先の川原で最初の休憩をした。
- 緩い流れを登り、コンクリートの小さな段だけの堰堤を越えると、高さ約50cmの堰堤に着いた。ガイドブックには「深いので横の林道まで上がって巻く」と説明されていた。ちょうど倒木が堰堤の左端にかかっていた。水深も左端は浅かった。倒木を足場にしてそのまま堰堤を登ることができた。
- しばらく進むと、まっすぐな流れの先に最初の2m滝が見えてきた。滝のすぐ横の岩場を林道まで上がって巻く事にした。ちょうど軽トラックが林道を登ってきて我々が登ってくるのを待っていてくれた。下から「こんにちは」と明るく挨拶した。
- 沢が小さく左カーブした先に二つ目の2m滝が有った。流れの左側、水の流れの無いところを登った。2級程度の容易な岩場の登りだった。登った所で昼食休憩にした。
- ナメ滝を登り左手に大岩を見ると、両側がコンクリートになったまっすぐな沢になった。200m程進むと5mの堰堤に突き当たった。付近は登れそうにないので大岩の所に戻り林道に上がって巻いた。堰堤の上の狭い川原で小休止した、
- 次の2段3mの滝は左の岩場を登って巻いた。最後に黒い岩のナメを登って行くと山ノ神橋に着いた。橋の手前を左に登って林道に出て遡行を終了した。すぐ上には最初の2m滝のところで出会った軽トラックが停まっていた。
- 通ってきた沢を見ながら林道を下った。伐採作業は運搬トラックがいなくなって人気がなかった。作業終了かと思っていると、しばらくして空荷のトラックが登ってきた。落合橋まで下ったところでシートを広げて座り、赤ワインをいただきながら急な流れと深い釜を振り返って達成感を味わった。