- 室堂は観光客が多かった。霧の中、暗い気持ちで出発した。浄土山を通り鬼岳東面へ出た頃、ようやく晴れて来た。鬼岳東面には、長い雪渓が残っていた。五色ガ原では、チングルマやハクサンイチゲがたくさん咲いていた。テントは11張りだった。
- 二日目は朝から天気が良かった。鳶山までは、お花畑が連続していた。コバイケイソウは当たり年らしく見事だった。振り返るとコバイケイソウの群落越しに雄山などの立山連峰が見えた。鳶山からの下りではトウヤクリンドウやハクサンシャクナゲが多かった。
- 越中沢岳からは、この日の宿泊地、スゴ乗越の小屋が間近に見えた。しかし、実際は岩場の上り下りが多く、思いの外時間がかかった。越中沢岳の下りで、うっかり小さめの岩にストックを付いたため、滑ってバランスを崩し体が一回転して止まった。幸い両膝と肘にかすり傷を負っただけだった。
- スゴ乗越のテントは3張りだけだった。テントを張るなり夕立がやって来た。夕立後に虹が見えた。
- 三日目は北薬師岳への登りで始まった。花が多く、コバイケイソウ、アオノツガザクラ、ハクサンイチゲ、チングルマ、イワイチョウと次々現れた。
- 北薬師岳からの薬師岳山頂は大きなカール越しで迫力があった。北薬師岳から薬師岳の間は岩場が多かった。薬師岳山頂では、霧が出てくるまで2時間近く休んだ。霧になって安心したのか、ハイマツの陰から雷鳥の親子が出てきた。
- 薬師岳山荘を過ぎると再び花が増えてきた。ハクサンイチゲやシナノキンバイがちょうど盛りだった。
- 薬師峠はテント25張りだった。時間も早かったのでビールを飲みながらのんびりと休んだ。
- 最終日も晴天だった。テント場からは、正面に北ノ俣岳と黒部五郎岳が見えた。途中の太郎平小屋では朝の出発準備をしている登山者が大勢いた。折立への下りでは黄金色に輝くキンコウカと遠くの剣岳を楽しみながら下った。