- 秦野からのバスは40人ほどの乗客で混んでいた。終点の蓑毛で下車して登り始めた。我々は6人のグループだった。最初は沢沿いの道だった。やがて斜面を横切って進む道になった。植林帯から雑木林へと変わっていった。ヤビツ峠の手前では日影に雪が残っていた。ヤビツ峠先の「護摩屋敷の水」で水を2リットル汲み昼食休憩にした。
- 表尾根を登り始めた。振り返ると大山が見えた。登るに従い雪が増えてきた。二ノ塔付近は踏まれていない箇所で3cmほどの積雪だった。富士山は上部を雲の中に隠していた。三ノ塔への登りでは吹きだまりになった箇所で10-20cmの積雪だった。三ノ塔からの下りは氷っていて滑りやすかった。逆方向に歩く人はほとんど軽アイゼンを付けていた。
- 鞍部から登り返すと、この日の宿泊地、烏尾山荘に着いた。自炊小屋で、普通1~3月は休みとの事だった。今回は、リーダがあらかじめお願いしていて開けてもらっていた。
- 小屋の中はストーブが焚かれて暖かだった。小屋番のAさんと常連客のBさんがいた。Aさんは、この日、灯油など30kgを荷揚げしたの事だった。冬でも2週に一度登って来て、外のトイレのチェックをしているとのことだった。Bさんはスリッパのほこりを拭いて我々に渡してくれた。写真が趣味のBさんは、我々がこの日に登って来ると知って、撮ったスライドを見せるためにわざわざ登って来てくれていた。我々はビールで乾杯後、用意してきたビーフシチューとポテトサラダの夕食を食べた。日暮れになると東京の夜景がきれいで、澄んだ空気にスカイツリーも見えた。すっかり暗くなるとBさんがスライドで丹沢の花や昔の丹沢の小屋の写真を見せてくれた。昔、アツモリソウが丹沢にも咲いていたとは驚きだった。スライドを見終わってからはAさんから分けてもらったウイスキーを飲みながら、ゆっくりとくつろいだ。
- 翌朝は快晴だった。地面は氷り、ベンチには霜が下りていた。富士山がきれいだった。小屋の中でゆっくりと朝食を食べた。出発時には、Aさん、Bさんが小屋の外に見送りに出てきてくれた。二人がじっと立っているなか、しばらく荷造りに時間がかかってしまった。「もう寒いから小屋の中に入ってても良いですよ」と声をかけて、ようやく小屋の中に入ってもらった。
- 行者ヶ岳からの下りでは鎖場が2箇所有った。雪は付いておらず、割と下りやすかった。政次郎ノ頭で表尾根最後の展望を楽しんだ後、政次郎尾根を下り始めた。すぐに植林帯になった。最初、少し残っていた雪も途中で無くなった。林道に出たところが戸沢休憩所だった。昼食休憩にした。
- 長い林道歩きを終え吊り橋を渡ると大倉に着いた。バスの待ち時間を利用して、お土産にキャベツなどの野菜を購入した。バスで渋沢駅に出て駅前で打ち上げをした。