- 前日は雨だった。鬼首温泉の宿に宿泊してのんびり過ごした。
- 翌朝は、冬型の気圧配置で曇り空だった。登山口の上の台で準備をしている間、付近の民家の人と少し話し込んだ。「昔はカモシカをこの山で捕った。一頭分の毛皮で米一俵になった。」と話していた。
- 最初は積雪10cmほどの林道歩きだった。スキーを履いて登った。途中、2箇所徒渉があり、スキーを脱いで渡った。深さは10cmくらいと5cmくらいだった。
- 林道終点からは急な尾根に道が付けられていた。ワカンを使った登山者の足跡が少し有った。スキーを肩に担いで登った。15分程で尾根はゆるくなったのでスキーを履いた。
- 天然杉の多い尾根を登って行った。尾根はやがて狭くなった。スキーをいったん脱いでザックに付けて登った。尾根が広くなったところで再びスキーを付けた。四合目付近はブナ林になっていた。風は少なかった。
- 五合目は尾根がいったん平らになった所だった。風が強かった。六合目付近は少し急だった。このあたりも昨日は雨だったようで、雪が硬かった。シールでは登りにくかったのでスキーをザックに付けて登った。坂がゆるくなったところで再びスキーを付けた。
- 標高980m付近で昼食にした。山頂部は風が強そうだったので木が無くなったところからは登ることができないだろうと思った。覚悟を決めて行けるところまで行くことにした。
- 尾根がゆるく広くなり、山頂台地の一角に付いた。帰りの尾根の入口が分かるよう、スキーの板を束ねるピンクのベルトを木の枝に縛り付けた。更に200mほど進んだ所で小物入れのビニル袋を木の枝に縛り付けた。
- 前衛峰は風が強かった。ここは潅木が生えていたが、すぐ奥の山頂は木が全くなく風が強そうだった。引き返そうといったん思ったが、風が時々弱まる事が分かり山頂まで行ってみることにした。
- 強風のたびに背を低くしておさまるのを待って登った。山頂では周囲の写真を撮っただけで早々に出発した。ヒマラヤの山頂に登頂した登山者のようにあわただしかった。ピンクのベルトの所まで下りシールを外した。
- 尾根の下りは硬めの雪だったが、まばらなブナの木の間を下る快適なスキー滑降だった。気分良く下っているうちに尾根を一つ右に間違えて下ってしまった。磁石と地形図で確認して間違いに気付きトラバースして元に戻った。戻ったところはちょうどスキーを担いでいたところで明瞭な足跡を見つけてほっとした。
- 尾根の細くなる二合目からはスキーをザックに付けて下山した。日も傾きかけたころ車の所に戻った。