- 採石場のすぐそばで雑然とした感じの空沼岳登山口でバスを下りた。林道をしばらく歩くと登山口に着いた。車が25台ほど駐車してあり、なかなか人気の有りそうな山だった。入山届によると、ほとんどの人が往復で、縦走の人はちらほら混じるだけだった。
- 万景沼までは、ゆるい登りだった。木にはところどころ名前を書いた札が付けられていた。ウダイカンバやヤチダモなどなじみのない木が多かった。マイヅルソウやオオクルマムグラなど地味な花をながめながら進んでいくと万景沼に着いた。万景山荘はちょうど30人ほどの中学生の団体が山から戻ってきたところでにぎやかだった。もう一つの空沼小屋は老朽化していて「使用禁止」の立て札があった。沼のほとりにはミツガシワが咲いていた。
- 二日目、ゆるい坂を登って行くと真簾(まみす)沼に着いた。万景沼より一回り大きい沼で青々としてきれいだった。稜線分岐手前の急坂にはサンカヨウが咲いていた。稜線にはダケカンバの太い木が多かった。
- 稜線を一登りすると空沼岳山頂に着いた。キタキツネが昼寝をしていた。羊蹄山や恵庭岳が見えた。山頂から先へ踏み跡を10分ほど進むと空沼を見下ろせる所まで行くことができた。
- 稜線分岐まで戻り、札幌岳への縦走路に入った。万景小屋で会った人によれば3年前に刈払いしたとの事で、多少ヤブ気味なものの歩くには支障がなかった。いくつかピークが有ったが、いずれも右側を巻いて道が付けられていた。ほぼ中間点では森の中に埋もれたようにヒョウタン沼が有った。一休みしたい雰囲気だったが、蚊も多かったので早々に出発した。ひたすらダケカンバの森を歩き、札幌岳の登りにかかった頃に単独行とすれ違った。縦走中はこの1人にしか会わなかった。
- 足元のゴゼンタチバナに励まされながら最後の急坂を登ると札幌岳に着いた。5-6人登山者が休んでいた。北側は木が茂るもののそれ以外の方角は展望が良かった。羊蹄山は、いつの間にか雲の中になってしまった。
- 札幌岳からは定山渓方面へ下った。ダケカンバの森だった。急坂を下りると冷水小屋に着いた。小屋前の水は冷たくておいしかった。
- 小屋から沢沿いの道を下っていくと登山口に着いた。車が8台停めてあった。下山してきた北海道の岳人に余った燃料を進呈し、代わりに定山渓のバス停まで車に乗せてもらった。