- 仙台市内の中野栄駅は通学の学生で混雑していた。雨だったのでレインウェアを着て歩き出した。1時間余り歩き貞山運河に出た頃に雨は上がった。運河沿いの自転車道は松並木がきれいだった。道の上で休んでいた何匹ものカニが、慌てて横の草むらに逃げ込んでいた。
- 名取市の閖上(ゆりあげ)地区では、かさ上げされた住宅地の先に震災慰霊碑が有った。犠牲者の名前が900名以上だったので驚いた。近くのカフェに入りマロンクリームの乗ったコーヒーを飲みながら一休みした。この日は仙台空港近くの美田園駅まで歩いた。
- 二日目は岩沼海浜緑地を歩いた。良い天気だった。南北に長い公園には自転車道が通っていた。時々サイクリングの自転車とすれ違った。自転車道沿いには500mおき位に津波避難用の高さ約11mの丘が新しく作られていた。
- やがて阿武隈川沿いの土手の道になった。川とは思えないほど広い流れを見ながら気持ち良く歩いた。阿武隈川を渡り亘理(わたり)町に入ったところで二日目を終えた。
- 三日目も良い天気だった。最初は阿武隈川沿いの道だった。朝の風は冷たかった、犬連れやランニングの人とすれ違った。やがて阿武隈川を離れ亘理町の中心部へと向った。途中のリンゴ畑には取り入れ間近のリンゴが、たわわに実り、動物を脅す爆竹の音が鳴り響いていた。亘理公園から亘理神社へと進んで三日目を終えた。
- 最終日は亘理町から四方山(しほうざん)、深山を経て山元町へ向った。曇り空だった。黄葉が始まっていてきれいな山道だった。四方山では山頂から西側に少し下がったベンチまで行って、展望を楽しみながら休んだ。深山が近づくと黄葉が一層きれいになった。
- 最後に見晴しが良くなると深山に着いた。海を眺める展望地に震災鎮魂の鐘が有った。鐘を一突きして響く音を鳴らした後、ベンチでワインとコーヒーを飲んで休憩した。深山山麓少年の森に下山すると小雨が降ってきたので、管理事務所で雨宿りさせてもらった。
- 駅へのバスは小学生帰りの生徒で混雑していた。1年生の女の子からザックに何が入っているか聞かれたので、チョコレートの箱を出すと、「私は、おやつを持っていないよ」と教えてくれた。バスは、子供達が全員下りて、あたりが暗くなった頃、駅に静かに着いた。
- 今回歩いたのは約63kmだった。これで合計約995kmとなり全体1043kmの約95%を終了した。