- 札内ヒュッテで登山届を記載して出発した。沢は水量が少なく、ところどころ伏流になっていた。登山靴のまま登った。途中でジャンプに失敗し靴をぬらしてしまった。尾根にとりつく二股で幕営した。
- 2日目、軽快に尾根を登った。夏尾根ノ頭にはテントが二張り有った。予定より早くヤオロマップ岳に着き幕営した。水場では3リットルくむのに1時間以上かかった。
- 3日日、1600m峰手前までは、ハイマツのヤブだった。踏み跡は、しばしば消え、ハイマツをかき分けたり乗り越えたりして進んだ。転んでハイマツに突っ込み、こめかみ付近に擦り傷を作ってしまった。振り返るといくらも進んでいないのでがっかりした。1600m峰からは時々草原が現れた。しばしば熊の糞が有った。
- ルベツネ山の登りにかかるところで雷雨になった。進むのをあきらめ、鞍部のわずかなスペースにテントを張った。17時ころに晴れたので東を見ると虹がかかっていた。
- 4日目、霧の中、ルベツネ山までははっきりした踏み跡を登った。ルベツネ山からしばらくは、背の低いハイマツ帯で、絨毯の上を歩くようだった。1720m峰からの下りで踏み跡を見失いハイマツの中を右往左往した。
- Cカールへの入口には、色あせた赤布が有った。カールへの下りは最初が急で何度か足を滑らせた。カールは岩がごろごろし、テント場があちこちに有った。ウサギギクのお花畑があった。ナキウサギがピーッと甲高い声で鳴いた。カールの底から少し下ったところに水場があった。水を5リットルにした。
- 稜線に戻ると雨が降り出した。風雨が強くなり、時々ハイマツの陰で雨宿りした。しばしば靴ひもがゆるんだが、手がかじかんで、なかなか結ぶことができなかった。最後には雷が鳴り出した。ハイマツの陰に避難した。幸いすぐに晴れ、立て札の立った山頂が間近に見えので急に元気が出た。山頂では時折日が差した。
- 山頂からの下り、Aカールの所で早く右に曲がりすぎてしまい、ヤブに突っ込んでしまった。ヤブの中でもがきながら、カール上部の踏み跡に出たときには、心臓が張り裂けそうに苦しかった。
- 疲れと重い荷物で、だんだんと足の踏ん張りが効かなくなった。1573m峰からの下りで登山道から1.5mほど左側のヤブの中に転げ落ちてしまった。以後、慎重に下った。ロープ2本が張られた3点確保が必要な岩場が一箇所有った。携帯で予約のタクシーをいったんキャンセルし、登山道の平らなところにテントを張った。
- 最終日、ポンヤオロマップ岳に幕営してピストンすると言う単独行二人に会った。ポンヤオロマップ岳でタクシーを再予約した。登山口に迎えに来た若い運転手は、「ここに来るのは初めてだ」と言っていた。