- 佐伯駅からのバスは米水津(よのうづ)振興局でコミュニティバスに乗り換えになった。8人乗りの小さなバスに乗り込み、運転手に乗り継ぎ券を渡しながら行き先の「宮の下」を告げると「元越山に登るなら一つ先の色利(いろり)で下りた方が良いよ」と教えてくれた。「登る人は多いんですか」と聞くと「元旦には日の出を見に大勢が来るんだ」と教えてくれた。
- バスを下りて運転手に教わった通り川沿いに進んだ。見上げるとトンビが数匹飛んでいた。川を離れ、高い生け垣沿いに進むとやがて登山口に着いた。
- 最初は急な登りだったものの、すぐに緩くなった。シイなどの照葉樹の下を登って行った。ドングリがたくさん落ちていた。よく整備されていて歩きやすかった。暑くて少し汗をかいた。第一展望台付近は少し紅葉が残っていた。
- やがて緩い尾根伝いの登りになった。第二展望台から第三、第四と次々に展望台が有った。登るに従い海の眺めが良くなった。暖かさに誘われたのか小さなツツジ(フジツツジ)が少しだけ咲いていた。小さなピークを巻くトラバース道には「木洩れ日の径」と表示され、照葉樹の間からの木洩れ日が気持ち良かった。木には名札が付いていて、タブノキ、スダジイ、サカキ、クスノキなどの名前が記されていた。林道との交差点付近には少し植林が有った。山頂手前は直登の急なコースと右から回り込む緩いコースが有った。緩いコースに進むと途中で浦代からのコースと合流した。
- 山頂は広い芝生地になっていた。360度の展望で中央に石造りの展望図が有った。入り組んだ海岸線の眺めがきれいだった。四国が霞んで見えた。展望を楽しみながらゆっくり休んだ。いつの間にか予定時間ぎりぎりになってしまった。
- 下りは海とは反対側に向かった。緩い下りの植林帯だった。中の地蔵を通過して進むと林道と交差した。あずまやが建っていた。更に下ると下の地蔵が有った。付近は照葉樹林でドングリがたくさん落ちていた。やがて少し急になり、削られた岩の間を進む道になった。ロープがつけられた道で少し歩きにくかった。時間が足りなくなり急ぎ足で下った。
- 登山口に出てからは地形図を見ながらバス停に向かった。振り返ると元越山が見えた。バス停に着いたのはバス時刻の5分前だった。この日は、山中では誰にも会わなかった。
- 佐伯駅からの特急は車両故障で運休になり代行バスに乗った。延岡着は予定より1時間近く遅れた。