- 春日居町からのタクシーを「兜山流しそうめん」で下車した。曇り空だった。最初は夕狩沢沿いの林道跡の登りだった。林道には潅木が生え、蜘蛛の巣が時々顔にかかった。周辺は落葉樹林帯だった。堰堤をいくつかやり過ごした標高500m地点から夕狩沢に入渓した。ミンミンゼミの声が周囲から聞こえていた。
- 沢を登り始めると釜の有る小滝が次々現れた。滑りやすい大岩の所ではシュリンゲを使って後続者を引き上げた。一番深い釜を木の枝で測ると1.2mほど有った。巻いて通過した。標高580mに長めのナメが有ったので一休みした。
- 沢の後半にも小さな滝がたくさん有った。流れが岩でさえぎられた標高635m地点まで登り、沢歩きを終了して右側に上がって踏み跡に出た。登山靴に履き替えた。
- 左岸の踏み跡を登っていった。所々、木に赤ペンキマークが付けられていた。右手から沢が流れ込んだ先で、赤テープに従って対岸に渡った。対岸には林道跡が有った。一休みした。標高は780mだった。
- 林道跡を登っていった。最初はほとんど平坦で、林道上には潅木も生えていた。林道の分岐をいくつか通り、林道終点まで進んだ。林道を離れてからは赤テープに従って踏み跡を進んだ。やがて尾根に出た。尾根の踏み跡を赤テープに従って登った。急登だった。
- 稜線に出たところが、この日の最高点だった。標識が有り、通ってきた方向が「夕狩沢」と記載されていた。付近はミズナラの森だった。数日前の台風の影響か、尾根の登山道には緑の葉がたくさん落ちていた。
- 稜線を進み右下に分岐する登山道をやり過ごすと、70歳くらいの男性二人組とすれ違った。「山頂はすぐです」と教えてくれた。
- 山頂には標識とベンチが有った。樹林に囲まれていて展望は無く誰もいなかった。ベンチに座り持参のシャインマスカットとビスケットを食べながら一休みした。休むうちに小雨が降ってきた。山頂出発前に少し下がった展望台へ行ってみた。下の平地の葡萄畑が見えるだけで、向かいの山は雨に霞んでいた。
- 山頂から下山し始めて15分ほどで雨が本降りになった。レインウェアを着た。登山道には緑の葉が多く落ちていて少し分かりにくかった。鎖の岩場が有った。雨で滑りやすくなっていたので慎重に下った。やがて緩い下りになり、沢沿いの登山道に出た。幅広の登山道を下り、車道に出て「兜山流しそうめん」に戻った。
- 帰りは雨の中、たわわに実るシャインマスカットの葡萄畑の間をゆっくりと春日居町駅まで歩いた。結局、山中で会ったのは山頂近くですれ違った70歳代の男性二人組だけだった。