- タクシーを集落外れの動物進入防止柵の所で下車した。鬢櫛林道を登り始めた。良い天気でミンミンゼミが鳴き、蒸し暑かった。林道ゲートまで登り一休みした。
- 林道ゲートから更に林道を登っていった。周囲は樹林帯だった。途中で、けものの臭いが強くした。動物の死骸でも有るのかしらと思っていると、15m程先を小さいイノシシが横切って行った。林道は鬢櫛川の右俣沿いに標高約1050mまで登った後、分岐から左俣に向け下っていた。左俣に出た所、標高1004mが入渓点だった。渓流タビ、ハーネスを付け、ヘルメットをかぶって沢を歩き始めた。
- 出だしはナメが多かった。ナメが終わると苔の付いた岩の間を水しぶきを上げながらの登りになった。1箇所岩の苔が滑りやすかったので、シュリンゲを使って後続者を引っ張り上げた。水の流れがよどむ砂地では金色に光る砂が有り、砂金かしらと思った。ヒキガエルをしばしば見た。左から沢の流れ込む標高1060m地点からは赤い岩のナメになった。赤いナメの所のヒキガエルは赤い色をしていた。
- 右手、真南から沢が合流する1160m地点で一休みした。一休み後の登りで水の中にカメラを落としてしまった。次の右からの沢の合流点の先で2-3mの滝を越えた。特に三点確保する必要も無く楽に登ることができた。
- やがて水量が細くなってきた。伏流になった先に二俣1270mが有り、一休みした。結局、沢の登りでは人に会わず、ヒキガエルを5匹見ただけだった。カメラは故障して動かなくなってしまった。水を汲んで左俣に向かった。
- 左俣は軽いヤブが有るだけで登りやすかった。そのまま登って行くと、最後の標高差約20mで急になった。立木が少なく足場が悪くて滑りやすかった。後続者は滑るかも知れないと思い、急遽ロープを出す事にした。ロープを結びつけてから下に投げた。運悪くロープは途中の細い枝に引っかかってしまった。外れるかと思って上側と下側から引っ張ってみたが、かえって枝に結びついてしまった。やむなく結びついたたま登って来てもらう事にした。そして、結びついたところを通る時に木の枝から外してもらった。苦労して登っている間に、上の登山道を歩く人の鈴の音がうらめしげに聞こえた。結局20mロープ3ピッチの登りで稜線鞍部に着いた。
- 鞍部から左手に稜線を進み、ピークを一つ越えたところが源次郎岳山頂だった。最後の登りで苦労した割には、予定より10分遅れただけで着いた。お菓子を食べながら一休みした。西側に展望が開け八ヶ岳が見えた。
- 下りは稜線鞍部まで戻った後、そのまま稜線を嵯峨塩鉱泉へ向かった。下日川峠への分岐へは登りになった。分岐付近からは富士山が見えた。分岐からは緩い尾根の下りになった。マルバダケブキが咲いていた。嵯峨塩深沢林道を横切って下っていくと工事中の林道があった。トイレが有り一休みした。最後は薄暗い樹林帯で赤テープを見つけるのに苦労しながら斜面を下り、嵯峨塩鉱泉に着いた。結局、この日は山中では誰にも会わなかった。バスには大菩薩峠からの帰りの登山者が20人ほど乗っていた。